Volume 567 Number 7747

Editorial

次なる「身勝手な」ヒト生殖細胞系列のゲノム編集を防ぐには、さまざまな分野のより多くの人を交えて議論し、こうした研究に関するルールを早急に定める必要がある。

Germline gene-editing research needs rules p.145

doi: 10.1038/d41586-019-00788-5

News

コンゴ民主共和国では、激化する武力紛争がエボラ出血熱の流行に拍車を。

Violence propels Ebola outbreak towards 1,000 cases p.153

doi: 10.1038/d41586-019-00805-7

キューバで、環境保全と気候変動への取り組みに関する文言が追記された憲法改正案が国民投票で承認を。

Cuba acknowledges climate change threats in its constitution p.155

doi: 10.1038/d41586-019-00760-3

国連の専門機関が、気候工学技術による気候変動対策の再検討を。

Geoengineering debate shifts to UN environment assembly p.156

doi: 10.1038/d41586-019-00717-6

衛星データと機械学習を組み合わせた火山活動の監視が、噴火予測の助けに。

How AI and satellites could help predict volcanic eruptions p.156

doi: 10.1038/d41586-019-00752-3

News Features

神経科学:ビデオゲームの中のマウス

The mouse in the video game p.158

バーチャルリアリティーでの動物実験によって、脳のリアルな機能を知る手掛かりがもたらされている。

doi: 10.1038/d41586-019-00791-w

細胞生物学:細胞内の秘密の会話

How secret conversations inside cells are transforming biology p.162

細胞内の実働部隊である細胞小器官は、これまで考えられていた以上に多くの情報交換をしているらしいことが明らかになってきた。

doi: 10.1038/d41586-019-00792-9

News & Views

幹細胞:骨の成長を維持する場所

A newly discovered stem cell that keeps bones growing p.178

骨の伸張には、軟骨の成長板の維持が必要である。最近の研究に続き、今回新たな研究によって、成長板には、軟骨細胞と骨髄幹細胞の両方を生み出す特有の幹細胞があることが明らかになった。

doi: 10.1038/d41586-019-00527-w

情報科学:量子空間における機械学習

Machine learning in quantum spaces p.179

通常のコンピューターは、データの数学的表現を比較することによって機械学習を実行できる。今回、量子コンピューティングが数学的表現の代わりに量子力学的表現を用い得る方法が、実験的に示された。

doi: 10.1038/d41586-019-00771-0

医学研究:がんの転移を助ける分子の使者

Molecular envoys pave the way for pancreatic cancer to invade the liver p.181

膵臓がんは肝臓に転移することが多い。膵臓腫瘍の周囲の細胞に由来する肝臓での定着促進シグナルが今回特定された。これは、こうした致死性のがん浸潤を妨げる方法を示唆している可能性がある。

doi: 10.1038/d41586-019-00710-z

回顧:深海における生命の探究の40年

Forty years of fathoming life in hot springs on the ocean floor p.182

40年前、動物に満ちあふれた海底の熱水泉が報告された。以来、そうした極限環境で成長する生命に関する知識がどのように増え、深海の探究と保全にどのような課題が残っているのだろうか。

doi: 10.1038/d41586-019-00728-3

有機化学:容易になった分子の修飾

Molecular-decoration technique offers boost to medicinal chemists p.184

さまざまな化学基を分子の単一の位置に付けることができれば、有用な特性を持つ化合物の探究が促進される。今回、これを行う方法を一変させる可能性がある反応が報告された。

doi: 10.1038/d41586-019-00767-w

医学研究:蚊の体内でマラリア原虫を食い止める

Battling disease by giving mosquitoes an antimalarial drug p.185

蚊を殺す殺虫剤はマラリアと闘うのに役立ってきたが、殺虫剤抵抗性が広まってきている。今回、マラリア原虫を標的にする薬剤で蚊を処理することで、マラリアと闘う別の方法が得られた。

doi: 10.1038/d41586-019-00648-2

Articles

生理学:哺乳類の脂質代謝についての統合システム遺伝学的解析

An integrative systems genetic analysis of mammalian lipid metabolism p.187

doi: 10.1038/s41586-019-0984-y

微生物学:細菌のcGAS様酵素群は多様なヌクレオチドシグナル分子を合成する

Bacterial cGAS-like enzymes synthesize diverse nucleotide signals p.194

doi: 10.1038/s41586-019-0953-5

Letters

天文学:1%の精度の大マゼラン雲までの距離

A distance to the Large Magellanic Cloud that is precise to one per cent p.200

doi: 10.1038/s41586-019-0999-4

量子物理学:ローレンツ対称性を検証するための光時計の比較

Optical clock comparison for Lorentz symmetry testing p.204

doi: 10.1038/s41586-019-0972-2

情報科学:量子技術によって改善された特徴空間を用いる教師あり学習

Supervised learning with quantum-enhanced feature spaces p.209

doi: 10.1038/s41586-019-0980-2

物性物理学:ネマチック量子臨界点の近傍での電気抵抗

Electrical resistivity across a nematic quantum critical point p.213

doi: 10.1038/s41586-019-0923-y

物性物理学:銅酸化物超伝導体における量子臨界の熱力学的特徴

Thermodynamic signatures of quantum criticality in cuprate superconductors p.218

doi: 10.1038/s41586-019-0932-x

有機化学:チアントレン化による位置選択的かつ汎用的な芳香族C–H官能基化

Site-selective and versatile aromatic C–H functionalization by thianthrenation p.223

doi: 10.1038/s41586-019-0982-0

幹細胞:クローン性の根本的な切り替えから明らかになった骨端成長板の幹細胞ニッチ

A radical switch in clonality reveals a stem cell niche in the epiphyseal growth plate p.234

doi: 10.1038/s41586-019-0989-6

微生物学:ハマダラカ類の抗マラリア薬への曝露はマラリア原虫の伝播を阻止する

Exposing Anopheles mosquitoes to antimalarials blocks Plasmodium parasite transmission p.239

doi: 10.1038/s41586-019-0973-1

免疫学:S-ゲラニルゲラニル-L-グルタチオンはヒトB細胞の閉じ込め受容体P2RY8のリガンドである

S-Geranylgeranyl- L-glutathione is a ligand for human B cell-confinement receptor P2RY8 p.244

doi: 10.1038/s41586-019-1003-z

がん:肝細胞は肝臓で転移促進性ニッチの形成を指示する

Hepatocytes direct the formation of a pro-metastatic niche in the liver p.249

doi: 10.1038/s41586-019-1004-y

細胞シグナル伝達:p53は尿素回路を介してアンモニア代謝を調節し、ポリアミン生合成を制御する

p53 regulation of ammonia metabolism through urea cycle controls polyamine biosynthesis p.253

doi: 10.1038/s41586-019-0996-7

プロテオミクス:プロテオミクスによって明らかになった早期肝細胞がんの新たな治療標的

Proteomics identifies new therapeutic targets of early-stage hepatocellular carcinoma p.257

doi: 10.1038/s41586-019-0987-8

細胞生物学:STINGトラフィッキングを介したオートファジーの誘導はcGAS経路の始原的機能である

Autophagy induction via STING trafficking is a primordial function of the cGAS pathway p.262

doi: 10.1038/s41586-019-1006-9

分子生物学:TRAIPはDNAの鎖間架橋修復に関わるマスター調節因子である

TRAIP is a master regulator of DNA interstrand crosslink repair p.267

doi: 10.1038/s41586-019-1002-0

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