Nature ハイライト

細胞生物学:始原的なcGAS経路

Nature 567, 7747

細胞質ゾル中にDNAがあるということは、よくない知らせだ。これは、病原体の侵入や、自身のDNAが漏出するような細胞自体の損傷が起きていることを意味するからである。細胞はこのような事象に対応するために、cGAS–cGAMP–STINGシグナル伝達カスケードを活性化させることで、IKKやTBK1などのキナーゼが関与する免疫応答やインターフェロンの誘導を引き起こす。Z Chenたちは今回、この経路の活性化がもたらすもう1つの結果、つまりインターフェロンの誘導とは独立した非従来型オートファジーの誘導について報告している。彼らは、STINGがcGAMPに応答して、ゴルジ体や小胞体–ゴルジ体中間区画(ERGIC)へ移動することを見いだした。これらのSTINGを含む膜は、細胞質ゾルDNAをリソソームで分解して除去するためのオートファゴソーム形成の際の膜の供給源になることができる。著者たちは、ヒト細胞において、イソギンチャク由来STINGの活性化がオートファジーのみを誘導し、インターフェロン経路を活性化しないことも明らかにしており、オートファジーの誘導は、cGAS–STING経路の始原的な機能だと考えられる。

2019年3月14日号の Nature ハイライト

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