The Nature Top Ten アクセスランキング
Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。
2025年5月18日 ~ 2025年6月17日
ROSの働きを利用するがん治療薬の効果を妨げるレトロマー複合体
Nature 641 2025年5月22日
今回、レトロマー複合体タンパク質VPS35が、ミトコンドリアでの翻訳と活性酸素種(ROS)産生をシステインの酸化を介して調節するROS感受性調節因子であることが明らかになった。VPS35は、細胞質ゾルでのROS感知と、ミトコンドリア膜と細胞膜の動的変化とを結び付けており、がんの治療抵抗性に重要な関わりを持っている。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-08756-y
マルチオミクス解析によって解明された細胞タイプ特異的な核区画
Nature 641 2025年5月22日
今回、2層式のDNAバーコーディング戦略を用いて、10万を超えるDNA座位をわずか96回の画像化によって捉える方法を開発したことが報告されている。この研究では、核タンパク質とmRNAの検出を組み合わせることにより、マウスの脳組織内で細胞タイプ特異的な核内区画を明らかにしている。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-08838-x
肝再生のグルタミン酸を介した時空間的な調節
Nature 641 2025年5月22日
M del Mar Rigualたちは今回、中心静脈周囲肝細胞とマクロファージ間でのクロストークを通して肝再生を促進する、新規URI1(unconventional RPB5 prefoldin interactor 1)/グルタミンシンターゼ/グルタミン酸/Wnt3経路を報告している。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-08778-6
肺繊維化の解消を促進する繊維芽細胞
Nature 641 2025年5月22日
M Longakerたちは今回、高分解能技術を用いて、肺の繊維化の発生と解消をプロファイリングした結果について報告している。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-08727-3
mRNAワクチン効果を増強する代謝機構
Nature 641 2025年5月22日
mRNAワクチンは、強力な免疫応答を引き起こす上で非常に効果的である。今回、TENT5A酵素がmRNAワクチンのポリ(A)尾部を大幅に伸長することが明らかになった。これはマクロファージ内で特異的に起こり、mRNAワクチンの翻訳レベルを高め、結果的に免疫原性を駆動する。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-08842-1
感覚学習における高次機能の分離
Nature 641 2025年5月22日
今回、感覚皮質の神経アンサンブルが高次の機能分離を起こし、それが基礎となる感覚表現とは独立して急速な学習に関与していることが報告されている。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-08730-8
セロトニンの役割の新たな理解
Nature 641 2025年5月22日
E Harkinたちは今回、学習や行動における背側縫線核のセロトニン作動性ニューロンの役割について、統合的な見方を呈示する試みについて報告している。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-08731-7
複雑な形質に関連する細胞の空間マッピング
Nature 641 2025年5月22日
今回、空間トランスクリプトミクスとゲノム規模関連解析(GWAS)のデータを統合して、ヒトの複雑な形質に関連する細胞の空間マップを作成する方法が報告されている。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-08757-x
古代DNAで探るマグリブ東部の集団史
Nature 641 2025年5月22日
今回、マグリブ東部の古代ゲノムデータが報告され、アフリカ北部における新石器時代への移行についての手掛かりが示されている。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-08699-4
暗黒多様性で見る自然植生の現状
Nature 641 2025年5月22日
今回、自然植生について、調査区内で記録された種の数と暗黒多様性(生態学的に適していて、周辺地域には存在するが、調査区内には存在しない種)を比較した結果が報告されている。興味深いことに、調査区に実際に存在する、その地域に適した全ての種が占める割合である「群落の完全性」を考慮したところ、自然植生の全球的な貧化が検出された。こうした群落の完全性は人間活動の影響を受けており、そうした影響の大きい地域ではその地域に適した種で調査区に実際に存在したのは20%未満だった。
Article doi: 10.1038/10.1038/s41586-025-08814-5