The Nature Top Ten アクセスランキング

Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。

2017年10月22日 ~ 2017年11月21日

  • 6万世代にわたる細菌の進化

    Nature 551 (2017年11月2日)

    最も長く続けられている細菌の進化実験である、「大腸菌(Escherichia coli)の長期進化実験(LTEE)」では、大腸菌の12の複製集団が6万世代以上にわたり継続的に培養されている。M DesaiとR Lenskiたちは今回、LTEEの6万世代全体にわたり、500世代間隔で全ゲノム塩基配列解読を行った結果を示している。解析からは、この制御された環境における細菌の長期的な適応の、複雑で動的な進化過程が明らかになり、また、クローン干渉、遺伝子のヒッチハイク効果、および選択の標的変化に関する知見も得られた。

    News & Views

    doi: 10.1038/nature24152 | 全文  | PDF

    Article

    doi: 10.1038/nature24287 | 全文  | PDF

  • 染色体構造におけるコヒーシンの役割

    Nature 551 (2017年11月2日)

    間期染色体の核の組織化は、トポロジカルドメイン(TAD)の境界やループに見られるCTCFやコヒーシンなどの構造タンパク質複合体によって仲介されると考えられている。しかし、これらのタンパク質を実験的に除去しても、染色体の組織化に及ぼす影響は限定的であることが分かっている。今回F Spitzたちは、マウスの肝臓細胞でコヒーシンを積み込む因子であるNipblを誘導によって欠失させた。染色体に結合するコヒーシンがなくなると、TADやTAD関連ループは消失するが、ゲノムの区画への隔離は保存され、転写に影響が見られたのは一部の遺伝子のみであった。TADの消失によって、局所的な転写活性を反映する、より微細な区画構造が明らかになった。従って、ゲノムの組織化は、コヒーシンの必要性が異なる2つの別々の機構によって生じていると考えられる。

    News & Views

    doi: 10.1038/nature24145 | 全文  | PDF

    Article

    doi: 10.1038/nature24281 | 全文  | PDF

  • フィコビリソームに光を当てる

    Nature 551 (2017年11月2日)

    集光性複合体の中で最大のものは、フィコビリソームと呼ばれる16.8メガダルトンの超複合体である。S Suiたちは今回、紅藻の一種Griffithsia pacificaから得られたこの半球形の複合体の構造を単粒子クライオ(極低温)電子顕微鏡法を用いて解き、タンパク質成分860個と、分子を発色させる構造単位である発色団2048個を可視化した。この構造学的成果によって、変化する光条件にこの複合体が適応する仕組みや、エネルギー移動が起こる仕組みが解明された。

    Article

    doi: 10.1038/nature24278 | 全文  | PDF

  • 中性子星の衝突から得られたハッブル定数

    Nature 551 (2017年11月2日)

    ブラックホールの合体や中性子星の合体による重力波の特徴から、合体イベントまでの距離が求められる。対応天体が観測され、ハッブルフローに起因する後退速度が分かれば、従来の「距離はしご」に全く頼らずにハッブル定数の測定が可能になる。2017年8月17日の重力波イベント(GW170817)は、2つの中性子星の合体によるものであり、付随した「キロノバ」が観測された。D HolzとLIGO–Virgoコラボレーションは今回、対応天体の探索に関わる天文学者グループとともに、前述の方法で計算されるハッブル定数を約70 km s−1 Mpc−1と決定した。この値は、他の測定結果と一致しているが、それらとは独立に得られたものである。

    Letter

    doi: 10.1038/nature24471 | 全文  | PDF

  • チャームクォークはエネルギッシュに入れ替わる

    Nature 551 (2017年11月2日)

    最近、CERNの大型ハドロン衝突型加速器(LHC)のLHCbコラボレーションが、内部の2つのチャームクォーク間の結合エネルギーが大きいダブルチャームバリオンを発見したと報告した。今回M KarlinerとJ Rosnerは、この強い結合エネルギーによって、クォークの再配置が可能になり、重水素とトリチウムの核融合反応に類似したクォークレベルの融合によってエネルギーが放出されると報告している。彼らは、2つのボトムクォーク間の結合エネルギーはさらに大きく、こうした発熱を伴った再配置が生じて、非常に大きなエネルギーが放出される可能性もあると指摘している。

    News & Views

    doi: 10.1038/551040a | 全文  | PDF

    Letter

    doi: 10.1038/nature24289 | 全文  | PDF

  • 寄生性マラリア原虫における有性生殖への拘束

    Nature 551 (2017年11月2日)

    寄生性マラリア原虫が蚊媒介性の伝播を行うためには、マラリア原虫の無性生殖型の集団の一部が分化して配偶子母細胞と呼ばれる有性生殖段階になる必要がある。この過程は転写調節因子AP2-Gによって制御されるが、これに関与する機構はほとんど解明されていない。今回B Kafsackたちは、真核生物病原体で初めて単一細胞RNA塩基配列解読を行い、AP2-Gによって誘導される転写変化を調べ、これに関わっている他のAP2転写因子群、ヒストン修飾酵素群、ヌクレオソームポジショニングの調節因子群を明らかにしている。これらの知見は、この重要な病原体における配偶子母細胞発生の機構的基盤の解明を目的としたさらなる研究の基礎となる。

    Letter

    doi: 10.1038/nature24280 | 全文  | PDF

  • 繊維芽細胞のスプライシング因子

    Nature 551 (2017年11月2日)

    L Qianたちは今回、単一細胞のRNA塩基配列解読法を用い、繊維芽細胞から心筋細胞への再プログラム化の基盤となる機構の解明を試みた。そして、再プログラム化に不可欠な大規模な発現変化を引き起こす開始段階で、mRNAのプロセシングとスプライシングに関係する因子、中でもスプライシング因子Ptbp1の発現が低下していることを発見した。繊維芽細胞が心臓特異的なスプライシングパターンをとるには、Ptbp1の発現低下が不可欠である。またこの方法によって、再プログラム化の間に誘導心筋細胞の濃縮を可能にする細胞表面マーカーも特定できた。

    Letter

    doi: 10.1038/nature24454 | 全文  | PDF

  • 乳酸はクエン酸回路の燃料となる

    Nature 551 (2017年11月2日)

    トリカルボン酸回路、あるいはTCA回路などと呼ばれることもあるクエン酸回路は、重要な代謝産物やエネルギーを産生していて、その主要な燃料はグルコースと考えられてきた。今回S Huiたちは、マウスで全身の代謝産物解析を行い、餌を与えられているマウスと絶食マウスの両方で、クエン酸回路による代謝の主要な炭素源は循環血中のグルコースではなく、乳酸の方であり、つまり乳酸がクエン酸回路の燃料となっている可能性を示した。さらに、この知見は腫瘍組織にも当てはまることが明らかになった。

    Letter

    doi: 10.1038/nature24057 | 全文  | PDF

  • 増殖中の微生物をモデル化する

    Nature 551 (2017年11月2日)

    トップダウンの手法による細菌増殖のモデル化は、ボトムアップ型のシステム生物学につきものであるパラメーターの激増問題を回避できるが、トップダウンの手法はこれまで、定常状態の条件に限られていた。今回T Hwaたちは、まず実験的に栄養の増加や減少に伴う新たな動的変数として「翻訳活性」を明らかにし、次に全体的な増殖遷移の動態を単一の微分方程式で捉えることで、「資源配分」理論を動的な領域へと拡張している。この手法では、無数に存在する代謝反応や調節反応に関する動的パラメーターを知る必要がなく、抗生物質への応答からバイオフィルム形成、生態学的動態、がんのプログレッションまで、幅広い動的な適応過程のモデル化に使用することができる。

    Letter

    doi: 10.1038/nature24299 | 全文  | PDF

  • 春に向けた種子のリセット

    Nature 551 (2017年11月2日)

    植物のシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)では、冬の長期の低温曝露により花成抑制因子FLOWERING LOCUS CFLC)のエピジェネティックなサイレンシングが引き起こされ、植物は春に花を咲かせることができるようになる。しかし、この安定的なサイレンシング状態、すなわち「春化」状態は、各世代でリセットされなければならない。今回Y Heたちは、種子特異的な転写因子LEAFY COTYLEDON1(LEC1)がFLCにおける活性クロマチン状態の確立を促進し、前胚でのde novoな発現を活性化することで、配偶子から受け継いだサイレンシング状態を解除することを明らかにしている。そしてこのFLCの活性クロマチン状態は、LEC1発現がなくなった後の種子発生後の時期へ伝えられる。これらの発見は、春化状態のリセットは胚性の転写因子による前胚でのde novoFLCの活性化過程であって、親植物が春化を受けたかどうかにかかわらず生じることを示唆している。

    Letter

    doi: 10.1038/nature24300 | 全文  | PDF

「Journal home」に戻る

プライバシーマーク制度