The Nature Top Ten アクセスランキング

Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。

2018年1月24日 ~ 2018年2月23日

  • 探索行動と逃避行動の脳による制御

    Nature 553 (2018年1月25日)

    動物は、探索行動ではゆっくりしたロコモーション、脅威から逃避するには素早いロコモーションといったように、異なる状況に応じて異なるモードの運動をする必要がある。今回O Kiehnたちはマウスで、楔状核(CnF)と脚橋被蓋核(PPN)という脳幹の2つの神経核の興奮性ニューロンによって左右交互に足を出す歩行が可能になるが、高速の左右同期的なロコモーションに必要なのはCnFのみであることを示している。これら2つの領域の活動と解剖的結合性は、PPNが探索行動を、CnFが逃避行動を支えるとするモデルに符合する。

    Article

    doi: 10.1038/nature25448 | 全文  | PDF

  • 代謝ホルモンの作用機構

    Nature 553 (2018年1月25日)

    内分泌型の繊維芽細胞増殖因子(FGF19、FGF21、FGF23)は、脊椎動物において重要な代謝機能および生理機能を調節する血中ホルモンである。古典的FGFは、FGF受容体を活性化するのにヘパラン硫酸プロテオグリカンを必要とするが、内分泌型FGFは代わりにクロトータンパク質に依存してFGF受容体を活性化する。クロトーには、異なる遺伝子にコードされる2種類があり、βクロトーはFGF19とFGF21に依存したシグナル伝達に必須であるのに対し、αクロトーはFGF23に依存したシグナル伝達に必要である。今週号では、J Schlessingerたちが、βクロトーの細胞外ドメインについて、リガンドのない遊離状態とFGF21のC末端ペプチドに結合した状態の両方の結晶構造を報告している。さらに、別の論文でM Mohammadiたちは、膜に繋留されたαクロトーから切断された細胞外ドメイン、FGFR1cのリガンド結合ドメイン、FGF23の3つが1:1:1の割合で含まれる三重複合体の原子構造を明らかにしている。これらのホルモンおよびその受容体は、代謝と生理機能において中心的な役割を果たしているため、非常に有望な薬剤標的となる。クロトーの姿を初めて明らかにしたこれらの構造から、内分泌型FGFによって調節されるシグナル伝達経路について長く待ち望まれてきた機構的手掛かりが得られた。

    Letter

    doi: 10.1038/nature25010 | 全文  | PDF

    Article

    doi: 10.1038/nature25451 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-017-09032-4 | 全文  | PDF

  • 初期宇宙における大質量ブラックホール

    Nature 553 (2018年1月25日)

    広範な探索にもかかわらず、7より大きな赤方偏移で見つかっているクエーサーは、z = 7.09に1つだけである。E Bañadosたちは今回、宇宙がわずか6.9億歳であったz = 7.54の位置に、質量が太陽の8億倍のクエーサーを観測したことを報告している。スペクトルから、クエーサーのライマンα輝線が、中性水素をある程度含む銀河間物質によってかなり吸収されていることが明らかになり、この時期には再電離が終わっていなかったことが示された。

    Letter

    doi: 10.1038/nature25180 | 全文  | PDF

    News & Views

    doi: 10.1038/d41586-018-00818-8 | 全文  | PDF

  • 立体ディスプレイ

    Nature 553 (2018年1月25日)

    三次元動画は、長い間、SFの中の話であった。実際には、光を操作することによって三次元の外観に近づけることが多いが、そうした方法には、視野角が狭い、特殊な視覚装置を頭部に装着する必要がある、などの制約がある。今回D Smalleyたちは、この解決策を提示している。この方法では、三次元物体が実空間に表示され、表示された画像は、あらゆる角度から見ることができるとともに、同じ物理空間を占める固体物体と共存し、包み込むことすらできる。不可視に近い光場によって、微小粒子がトラップされ、体積空間中を移動する。粒子が動く際に、赤色、緑色、青色のレーザー光を照射すると、任意の色の点光源が生成され、画像化対象物体の表面が描画される。粒子の走査速度が十分速ければ、人間の眼の「リフレッシュレート」が遅いことに起因する残像によって、固体三次元表面の外観に見える。走査速度をもっと速くすると、物体の像が動いているように見える可能性がある。

    Letter

    doi: 10.1038/nature25176 | 全文  | PDF

    News & Views

    doi: 10.1038/d41586-018-00859-z | 全文  | PDF

  • 地球の核の歴史を明らかにする岩石のプリューム

    Nature 553 (2018年1月25日)

    ヨウ素とプルトニウムは、地球マントル内に見られる短寿命元素である。それらが崩壊すると、キセノン同位体異常が生じ、地球の最初期の形成段階の記録が得られる。今回C Jacksonたちは、初期地球内部の条件を模擬した高温高圧下における、液体鉄合金と液体ケイ酸塩の間のヨウ素の分配の測定結果を提示している。彼らは、マントル内部から上昇して生じた現在のプリューム岩に見られるキセノン同位体異常は、初期の高圧核形成段階におけるヨウ素とプルトニウムの分別に起因すると提案している。著者たちは、この段階の核形成に関与したマントルの部分は酸化鉄にも富んでいたため、周囲のマントルより密度が高く、長期にわたって保存されたと思われると結論している。

    Letter

    doi: 10.1038/nature25446 | 全文  | PDF

  • 免疫細胞間の相互作用をLIPSTICで標識する

    Nature 553 (2018年1月25日)

    免疫系における細胞間相互作用を調べるための新規な方法を、G Victoraたちが報告している。彼らがLIPSTIC(Labelling Immune Partnerships by SorTagging Intercellular Contacts)と呼ぶこの方法は、遺伝学的に改変された受容体–リガンド対を使う化学標識付け(タギング)によるもので、この過程には細菌の酵素ソルターゼが関わっている。リガンド–受容体相互作用の履歴は、フローサイトメトリーもしくは顕微鏡法によって検出できるレポータータグの存在によって明らかになる。著者たちはこの方法を使って、T細胞受容体がもはや相互作用に関わっていない非抗原特異的段階で、T細胞と樹状細胞の間で起こる予想外のCD40–CD40L相互作用を観察している。この方法はおそらく、他のin vitroin vivo系にも応用可能だろう。

    Letter

    doi: 10.1038/nature25442 | 全文  | PDF

    News & Views

    doi: 10.1038/d41586-018-00488-6 | 全文  | PDF

  • 腫瘍は代償を払って治療抵抗性を獲得する

    Nature 553 (2018年1月25日)

    プリン類似体を用いた白血病の化学療法に対する抵抗性は、プリン代謝酵素NT5C2の機能獲得変異により誘導される。今回著者たちは、抵抗性の獲得が進化的トレードオフであり、NT5C2活性の増加は細胞のプリンヌクレオチドプールを枯渇させることを明らかにしている。抵抗性変異は、がん細胞の適応度を低下させて副次的に脆弱性を生み出し得るため、これを将来的に併用療法に利用できる可能性がある。

    Letter

    doi: 10.1038/nature25186 | 全文  | PDF

  • エンハンサークラスターが正常細胞やがん細胞の分化を促進する

    Nature 553 (2018年1月25日)

    Mycは、新しい血液細胞を作り出す造血の重要な調節因子であり、白血病を含むいくつかのがんではがん遺伝子として機能する。今回A Trumppたちは、これらの条件でのMyc発現の基礎となる詳細な機構について報告している。彼らは、異なる転写因子が結合する複数のモジュールから構成される1つのスーパーエンハンサーを解析した。これらのエンハンサーモジュールの組み合わせによる活性が、造血の異なる段階でのMyc発現レベルを決定していた。このような「血液エンハンサークラスター(BENC)」は、各エンハンサーモジュールから構成される1つのクラスターで、造血幹細胞および造血前駆細胞においてMycの発現を誘導するが、急性骨髄性白血病(AML)細胞でより活性が高く、AMLの維持に必要であった。エンハンサークラスターは、細胞分化における遺伝子発現の正確な調節に重要であるが、乗っ取られるとがんの発生に関与する可能性が示唆された。

    Letter

    doi: 10.1038/nature25193 | 全文  | PDF

  • KSHVの構造から得られた、ウイルス複製をストップさせるための手掛かり

    Nature 553 (2018年1月25日)

    カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)は、AIDS患者で広く発症するがんであるカポジ肉腫を引き起こす。KSHVは、約3000個のタンパク質からなる巨大なウイルスで、その構造の決定は難問とされてきた。今回H Zhouたちはクライオ(極低温)電子顕微鏡法を用いて、KSHVキャプシドの4.2 Å分解能での構造を解いた。これを基に作られた原子モデルは、変異誘発解析によっても確認され、キャプシドを安定化するのに重要な分子相互作用が明らかになった。著者たちは、ウイルスの複製の阻害にこれらの相互作用が使えることを実験によって示している。

    Letter

    doi: 10.1038/nature25438 | 全文  | PDF

  • 酵素ICMTの構造

    Nature 553 (2018年1月25日)

    イソプレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ(ICMT)は、真核生物が持つ膜内在型の酵素で、RAS GTPアーゼや、それ以外のCAAXタンパク質の露出したプレニルシステイン残基を、小胞体膜でのプロセシングの際にメチル化する。S Longたちは今回、ICMTの結晶構造を、脂質膜に似た環境中でモノボディ阻害剤、補因子、プレニル化基質に似せた脂質分子と複合体を形成した状態で決定した。ICMTの活性部位は細胞質領域から膜内領域へと広がっており、この構造から、酵素が細胞質中のメチル供与体と膜に結合した基質とを近づける仕組みが示される。ICMTの阻害は早老症やがんに対する治療戦略候補であり、構造に関する今回の知見は、小分子の調節因子を合理的に設計するのに役立つだろう。

    Letter

    doi: 10.1038/nature25439 | 全文  | PDF

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