The Nature Top Ten アクセスランキング

Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。

2019年4月26日 ~ 2019年5月26日

  • 核の魔法

    Nature 569 (2019年5月2日)

    陽子数あるいは中性子数が「魔法数」となる特定の原子核は、放射性崩壊に対する安定度が高まる。中性子数と陽子数が共に魔法数の二重魔法核は極めてまれであり、主に陽子数と中性子数がほぼ等しい安定な核に限定されている。谷内稜(東京大学ほか)たちは今回、中性子の極めて多い二重魔法核78Ni(中性子が50個で陽子が28個)を調べて、安定な核から十分に遠ざかるときに、魔法数の概念が原子核の諸特性にどのような影響を及ぼすかを探究している。

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    doi: 10.1038/d41586-019-01321-4 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/s41586-019-1155-x | 全文  | PDF

  • 腸オルガノイドにおける対称性の破れ

    Nature 569 (2019年5月2日)

    腸オルガノイドは、単一の幹細胞からの器官の組織化を再現した最初の例で、腸の維持、再生、機能不全を研究するための重要なプラットフォームとなっている。P Liberaliたちは今回、単一細胞での画像化法と遺伝子発現解析を組み合わせて、腸オルガノイドの再生過程の特徴を明らかにしている。単一細胞が均一な環境で増殖して球状の構造を形成する際に、1つの細胞で一過的に起こるYAP1の活性化が、腸陰窩の再構築を可能にする対称性の破れ事象を起こすためのカギであり、これによって最初のパネート細胞の分化が開始することが分かった。この研究で示された画像化プラットフォームは、組織形成における他の自己組織化事象の解析を可能にすると考えられる。

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    doi: 10.1038/s41586-019-1146-y | 全文  | PDF

  • FATP2による多形核骨髄由来免疫抑制細胞の調節

    Nature 569 (2019年5月2日)

    好中球は病原体から体を守るのに重要な働きをするが、がんの際には免疫抑制や腫瘍促進という性質を獲得する。D Gabrilovichたちは今回、脂質輸送体である脂肪酸輸送タンパク質2(FATP2)が、好中球の多形核骨髄由来免疫抑制細胞(PMN-MDSC)への再プログラム化に重要な役割を担っていること、それがアラキドン酸の取り込みとプロスタグランジンE2(PGE2)の合成促進を介して起こることを明らかにした。この輸送体を阻害すると、マウスでは腫瘍進行が遅くなる。この知見は、より有効性の高いがん治療法の開発につながるかもしれない。

    Article

    doi: 10.1038/s41586-019-1118-2 | 全文  | PDF

  • 適応免疫の進化

    Nature 569 (2019年5月2日)

    これまでの研究で、抗体を作り出す過程であるV(D)J組換えを担う酵素は、祖先的なトランスポザーゼから生じたことが示されている。このトランスポザーゼのリコンビナーゼへの変換に関与する分子事象は未解明だった。D Schatzたちは今回、この進化経路の土台となる変化を明らかにしている。

    Article

    doi: 10.1038/s41586-019-1093-7 | 全文  | PDF

  • 高温で強いバルク金属ガラス

    Nature 569 (2019年5月2日)

    今回、高温で高い強度が維持されるとともに、熱的ガラス形成能も高い新しいバルク金属ガラス群が報告されている。このバルク金属ガラス群は、単純で迅速なコンビナトリアル手法を用い、組成ライブラリー全体にわたって電気抵抗をマッピングし、ガラス形成能と抵抗率を相関付けることによって特定された。得られた新材料群は、高いガラス転移温度、耐酸化性、機械的特性を生かして、高温や過酷な環境条件下で使用する微小な歯車などの小型部品に用いられる可能性がある。

    Letter

    doi: 10.1038/s41586-019-1145-z | 全文  | PDF

  • 前生物的代謝回路

    Nature 569 (2019年5月2日)

    生命は、代謝によって食物が生体分子の構成要素に変換されることで維持される。本質的に、代謝には主要代謝物の分解と組み立ての両方が関わっており、全ての代謝反応は目的に合った一連の酵素によって促進される。生命の起源における重大な疑問は、「こうした反応ネットワークが生化学の助けを借りずに出現できたのかどうか」である。今回J Moranたちは、Fe(II)の存在下において、二酸化炭素(CO2)の還元生成物であるピルビン酸とグリオキシル酸から化学反応ネットワークが出現することを見いだしている。このネットワークは、その構成要素を分解してCO2に戻すだけでなく、生物代謝の主要部分であるクレブス回路と大きく重なり合っていた。今回の系は、ヒドロキシルアミンと金属鉄の存在下において、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸といったアミノ酸も生成する。まとめると今回の結果は、地球の原始大気の成分と考えられるCO2からどのようにして前生物的代謝経路が現れた可能性があるのかを示唆している。

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    doi: 10.1038/d41586-019-01322-3 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/s41586-019-1151-1 | 全文  | PDF

  • 北方の有力集団

    Nature 569 (2019年5月2日)

    シナ・チベット語族は、インド・ヨーロッパ語族に次いで世界で2番目に大きな言語群で、インド・ヨーロッパ語族と同様に、その「原郷」、すなわち究極の起源地に関して相反する2つの仮説が存在する。「北部起源説」は、その起源を約6000年前の黄河峡谷としており、有名な考古学的遺物と関連付けられている。一方の「西南部起源説」は、その起源を9000年前以前の中国西南部、またははるかインド北部とするもので、これらの地域には現在、小規模ながら多様なチベット・ビルマ語派が多く存在する。L Jinたちは今回、シナ・チベット語族の109言語に関してスワデシュ・リストの同根語100個の比較を行い、ベイズ系統解析法を適用することにより、この重要な語族の北部起源説を支持する結果を得ている。

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    doi: 10.1038/d41586-019-01214-6 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/s41586-019-1153-z | 全文  | PDF

  • 「クラブドラッグ」で社会的臨界期が再開する

    Nature 569 (2019年5月2日)

    特定の神経回路の発達には重要な発生上の時間枠があり、これを調節する機構を探るこれまでの研究のほとんどは、感覚系に焦点を合わせてきたが、いわゆる「臨界期」は社会的行動でも存在する。今回G Dölenたちは、マウスにおいて社会的報酬学習に重要な臨界期の維持を特定し、その特徴付けを行った。これには側坐核でのオキシトシン受容体シグナル伝達が関与している。この臨界期は発達中に終了してしまうが、成体マウスにクラブドラッグのMDMAを1回投与するだけで再開させることができる。MDMAはオキシトシン受容体シグナル伝達を漸増させて、この回路の可塑性を誘発した。

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    doi: 10.1038/s41586-019-1075-9 | 全文  | PDF

  • 腸を復活させる

    Nature 569 (2019年5月2日)

    腸管上皮は絶えず再生されて恒常性を維持しており、この再生は腸陰窩の底部にある多能性のLGR5+細胞に依存している。しかし損傷を受けると、この細胞周期の速い細胞は失われる。その後を引き継ぐ細胞タイプがいくつか提案されているが、それらが再生にどの程度寄与しているかは議論が続いている。J Wranaたちは今回、単一細胞RNA塩基配列解読を行い、静止状態にある独特な細胞タイプを特定し、これを復活幹細胞と名付けた。著者たちは、復活幹細胞は通常は静止状態にあるが、LGR5+細胞が失われるとYAPに依存的に腸内のあらゆるタイプの細胞を再生することを明らかにしている。

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    doi: 10.1038/s41586-019-1154-y | 全文  | PDF

  • セロトニン輸送の仕組みの解明

    Nature 569 (2019年5月2日)

    セロトニンのような神経伝達物質はニューロンから放出され、シナプス間隙を横断して近傍のニューロンの受容体に結合し、そこで他の神経伝達物質の影響を調節する。セロトニン輸送体(SERT)は、このような影響を調節するように働くので、セロトニン作動性シグナル伝達の重要な要素であり、抗うつ剤や精神刺激薬の標的でもある。今回E Gouauxたちは、幻覚剤であるイボガインと結合したSERTの構造を解き、輸送サイクル中のさまざまな状態にある輸送体の構造を明らかにしている。この結果から、SERTが機能する仕組みについての重要な情報が得られた。こうした情報はドーパミンやノルアドレナリンのような他の神経伝達物質の輸送体にも関係すると考えられる。

    Letter

    doi: 10.1038/s41586-019-1135-1 | 全文  | PDF

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