The Nature Top Ten アクセスランキング

Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。

2018年12月18日 ~ 2019年1月17日

  • ジュラ紀の海生爬虫類に見られる皮膚の配色および脂肪層

    Nature 564 (2018年12月20日)

    魚竜類は、恐竜類と同じ時代に生きた海生爬虫類で、流線形の体など水中生活へのさまざまな適応で古くから知られている。今回、軟組織が極めて良好な状態で保存されているジュラ紀の魚竜ステノプテリギウス(Stenopterygius)の標本を、領域横断的な実験手法によって調べた結果が報告されている。ステノプテリギウスの皮膚は、クジラ類のように滑らかで黒色素胞を含んでおり、黒色素胞の分布パターンは、生前のステノプテリギウスがカウンターシェイディング(背部が暗くて腹部が明るい)という保護色を有していたことを示唆している。この標本で特に目を引くのは、現生の海生哺乳類に見られるような脂肪層の記録であり、これは、魚竜類が温血性であったばかりか、他のどの爬虫類にも見られないほどの哺乳類との収斂性を有していたことも示している。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0775-X | 全文  | PDF

  • 苦難をも乗り越える強迫的欲求

    Nature 564 (2018年12月20日)

    臨床的所見からも動物モデルを用いた研究からも、薬物を乱用する個体の一部は、有害な結果に直面しても強迫的に薬物を求め、使用し続けることはよく知られている。C Lüscherたちは今回、自己刺激するモデルマウスを用い、マウス集団の一部は、たとえ報酬獲得時に電気ショックを受けても自己刺激を続けることを明らかにしている。これは、眼窩前頭皮質と背側線条体間の結合の強化によって起こると考えられた。これらのシナプスの強度を下げると、強迫的な報酬探索は加罰によって停止した。負の強化刺激を受けても強迫的報酬探索を続けることは嗜癖の特徴の1つであるが、今回、その原因となる可能性のあるシナプス投射路が特定された。

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    doi: 10.1038/d41586-018-07716-z | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/s41586-018-0789-4 | 全文  | PDF

  • 天然状態の水晶体中にあるギャップ結合チャネルの構造

    Nature 564 (2018年12月20日)

    ギャップ結合は細胞間チャネルで、これが隣接する細胞間の直接の連絡を可能にしている。ギャップ結合は12個のコネキシンサブユニットからなる。細胞種特異的に発現されるコネキシンアイソフォームの数は生物によって異なっていて、このようなコネキシンタンパク質のさまざまな組み合せによってチャネルごとに独自の性質が確保されている。S Reichowたちは今回、天然状態の水晶体中にあってコネキシン46とコネキシン50から構成されるギャップ結合チャネル(Cx46/50)の単粒子クライオ(極低温)電子顕微鏡構造を報告している。今回のデータと、以前に報告されたコネキシン26からなるチャネルとの比較からは、このようなチャネルの構造機能相関に関する情報が得られた。この研究はまた、遺伝性白内障の形成と結び付けられた遺伝的変異がCx46/50チャネル構造上に占める位置を明らかにしている。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0786-7 | 全文  | PDF

  • 惑星状星雲中で生成される希少同位体

    Nature 564 (2018年12月20日)

    希少同位体である15Nと17Oは、新星の中や超新星になる大質量前駆星の中で元素合成されると提唱されているが、その起源ははっきりしない。今回L Ziurysたちは、これらの同位体が、若い惑星状星雲中に13Cと共に非常に高い存在度で存在することを報告している。従って、これらの同位体を生成する過程には、進化してこの星雲を生成した星が関与している可能性がある。

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    doi: 10.1038/d41586-018-07726-x | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/s41586-018-0763-1 | 全文  | PDF

  • アクチノイドの質量非対称な分裂の謎

    Nature 564 (2018年12月20日)

    アクチノイドなどの重い原子核は、分裂すると重い分裂片と軽い分裂片へ分かれる。この非対称性は分裂片に強い殻効果が存在するため生じると長い間考えられていたが、そうすると、陽子数(Z)と中性子数(N)のいくつか組み合わせではこの効果によって球形が有利になると思われる。Z = 50とN = 82は閉じた陽子殻と閉じた中性子殻を示しているため、分裂するアクチノイドの重い分裂片は球形の核132Snに近くなるはずである。しかし、既存の研究では、Z = 52からZ = 56の辺りに重い分裂片が見られることが示されている。今回G ScampsとC Simenelは、144Ba(Z = 56)の辺りで最近実験的に確かめられた洋ナシ形の八重極変形によっても、この分裂片の最終的な質量非対称性が決まることを理論的に示している。著者たちは、超流動体分裂ダイナミクスの量子多体モデルを使って、実際に陽子が52〜56個の重い分裂片が主に生成されるとともに、分裂への途中で獲得した大きな八重極変形が関連していることを見いだしている。今回の結果は、より軽い核の質量非対称な分裂の観測結果を説明するのに役立つ可能性がある。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0780-0 | 全文  | PDF

  • ひねりの効いたカシミール効果

    Nature 564 (2018年12月20日)

    量子力学のおかげで、エネルギーを持った粒子が何もない空間から短時間だけ出現し得る。2枚の金属板をわずかに離して設置すると、金属板の間と外側では量子ゆらぎに違いがあるため、2枚の板を近づけるように押す力が生じる。これがカシミール効果と呼ばれる現象である。金属板を光学異方性物質に置き換えると、量子ゆらぎによってトルクが生じる可能性があると予測されている。今回J Mundayたちは、液晶のねじれを通してそうしたカシミールトルクを実験的に実証し測定したことを報告している。

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    doi: 10.1038/d41586-018-07744-9 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/s41586-018-0777-8 | 全文  | PDF

  • ショウジョウバエのCO2への誘引は行動状態に応じて変化する

    Nature 564 (2018年12月20日)

    キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)は酵母を餌とし、酵母は腐りかけの植物質で増殖して発酵中に二酸化炭素(CO2)とエタノールを放出するが、実験室実験では、ショウジョウバエはCO2を忌避することが示されている。今回M Dickinsonたちは、飛行中のショウジョウバエと歩行中のショウジョウバエはどちらも、採餌に関して活動的な状態にあるときにはCO2に誘引されるが、活動レベルの低い状態にあるときにはCO2を忌避することを明らかにし、ハエの行動の矛盾を解決した。この忌避行動は、おそらく呼吸性アシドーシスを避けるためか、CO2を探す寄生生物を避けるためと思われる。対照的に、どのような行動状態にあるときでも、ハエはエタノールに誘引される。エタノールは酵母の発酵に固有のシグネチャーであるが、CO2は、酵母以外の多くの自然過程でも発生するからである。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0732-8 | 全文  | PDF

  • 血液の起源

    Nature 564 (2018年12月20日)

    造血は、多能性を持ち自己複製を行う幹細胞が血液系や免疫系の全ての細胞を作り出す過程で、多細胞動物で見られる。しかし、この過程の進化についてはほとんど解明されていない。B Rosentalたちは今回、群体被嚢類の一種で血液系の編成を詳しく調べ、哺乳類の造血幹細胞に類似した幹細胞、骨髄ニッチに類似したニッチから生じる免疫細胞を特定して、動物の血液系の進化について、その一端を明らかにした。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0783-x | 全文  | PDF

  • 心臓の異種移植に成功

    Nature 564 (2018年12月20日)

    末期の心不全患者に対する心臓移植は、ドナー臓器の不足によって制限されている。遺伝的改変ブタの心臓を用いた異種移植は解決法の1つになり得るが、これまでのところ前臨床実験におけるブタ心臓の非ヒト霊長類への同所性心臓移植は安定的な成功が見られておらず、ヒトへの移植の見込みは薄いと考えられていた。B Reichartたちは今回、特殊な灌流保存法と移植後の増殖制御を組み合わせて用いることで、ブタ心臓のヒヒへの再現可能な異種移植の成功をようやく実現した。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0765-z | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/d41586-018-07419-5 | 全文  | PDF

  • ノンコーディングRNAの翻訳が免疫応答に重要な役割を果たす

    Nature 564 (2018年12月20日)

    R Flavellたちは今回、細菌感染や炎症性疾患の状況で、リボソームを濃縮し、これまではノンコーディングと見なされていたRNAに非カノニカルなオープンリーディングフレーム(ORF)を見いだしている。彼らは、マウスのマクロファージにおいて、ATGから始まらないがタンパク質を作り出すことのできる短い新規ORFを多数特定した。このようなORFの1つは、腸粘膜感染に対する宿主免疫に不可欠であることが示された。著者たちは、今後行われるヒトタンパク質をコードするゲノムの検証で、ヒトの健康や疾患に大きく関与する可能性のある、潜在的な非カノニカルORFから作り出されるタンパク質産物の特定につながるかもしれないと予測している。

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    doi: 10.1038/s41586-018-0794-7 | 全文  | PDF

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