The Nature Top Ten アクセスランキング

Nature アクセスランキングでは、前月nature.comで、最もダウンロードが多かった記事や論文をランキングしています。日本サイトでは、一部日本語要約も掲載しております。ここにおけるランクは、論文・記事の質、科学的重要性、引用回数などを示すものではありません。人気のあったコンテンツをお楽しみください。

2017年8月28日 ~ 2017年9月27日

  • ニューロンによる免疫細胞の調節

    Nature 549 (2017年9月21日)

    V Kuchrooたちは今回、単一細胞RNA塩基配列解読法を用いて、上皮細胞由来のサイトカインであるIL-25やIL-33に対するマウスの肺自然リンパ球の応答を解析した。彼らは、ニューロメジンU受容体NMUR1が、2型自然リンパ球(ILC2)の亜集団が特異的に発現する受容体であることを明らかにし、この受容体はIL-25と神経ペプチドリガンドであるニューロメジンU(NMU)によって活性化され、肺の炎症応答を誘導することを示している。このことから、NMU–NMUR1シグナル伝達は、アレルギー性肺炎症を軽減する可能性がある。

    Article

    doi: 10.1038/nature24029 | 全文  | PDF

  • 軌道に乗る量子セキュリティー技術

    Nature 549 (2017年9月7日)

    量子物理の法則から、非常に安全な暗号や量子通信のプロトコルが得られる。しかし、地球規模のネットワークに役立てるには、こうしたプロトコルが衛星を用いて機能するものでなければならない。既存のプロトコルをそうした長距離まで拡張することは、実験的に途方もなく困難である。J Panたちは、今週号の2報の論文で、低軌道衛星Micius(墨子)によって地球規模の量子ネットワークの実現に向けて前進したことを報告している。著者たちは、地上と衛星の間において、量子暗号システムに不可欠な量子鍵配送を1200 kmにわたってキロヘルツレートで実証するとともに、1400 kmにわたる単一光子キュービットの量子テレポーテーションを実証した。量子テレポーテーションは、量子物体の正確な状態を、物体自体を物理的に移動させることなく、ある場所から別の場所へ転送することであり、多くの量子通信プロトコルにおける主要な過程となっている。今回の2つの実験は、Miciusが地球規模の量子インターネットにおける初の構成要素となる可能性を示唆している。

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    doi: 10.1038/549041a | 全文  | PDF

    Article

    doi: 10.1038/nature23655 | 全文  | PDF

    Letter

    doi: 10.1038/nature23675 | 全文  | PDF

  • 微生物はヒトのシグナル伝達を模倣する

    Nature 549 (2017年9月7日)

    微生物相が産生する代謝産物が、ヒトの生理機能に何らかの機能を果たしたり影響を及ぼしたりしていることが、次第に分かってきている。今回S Bradyたちは、腸内細菌が産生するN-アシルアミドが、宿主のGPCR受容体と相互作用することを明らかにしている。マウスモデルおよび細胞を用いた解析によって、これらの細菌代謝産物がGPR119のアゴニストとして働くこと、そして、マウスにおいて代謝ホルモンおよびグルコース恒常性を調節する可能性があることが分かった。これらの知見は、微生物相由来のリガンドが真核生物のシグナル伝達分子を模倣できることを示唆しており、将来的にはこうした模倣を治療介入に利用できる可能性がある。

    Article

    doi: 10.1038/nature23874 | 全文  | PDF

  • 抑制されたクロマチンから転写を開始

    Nature 549 (2017年9月7日)

    piRNA(PIWI-interacting RNA)経路は、生殖系列において、トランスポゾンでの抑制性ヘテロクロマチンの確立によるゲノム安定性に重要である。piRNAが、転写抑制されているトランスポゾン内のpiRNA座位から転写される仕組みは解明されていない。今回J Brenneckeたちは、ショウジョウバエ(Drosophila)のpiRNA前駆体の転写開始には生殖系列特異的TFIIA-Lパラログが関与していることを示し、これをMoonshinerと命名した。このタンパク質は、HP1パラログであるRhinoを介してヘテロクロマチン内のpiRNAクラスターに誘導され、RNAポリメラーゼII転写装置のコアと共役する。従って、Moonshinerは抑制されたヘテロクロマチン環境での活発なpiRNA転写を可能にしている。

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    doi: 10.1038/549038a | 全文  | PDF

    Article

    doi: 10.1038/nature23482 | 全文  | PDF

  • 活性型AMPA受容体の構造が初めて解かれた

    Nature 549 (2017年9月7日)

    イオンチャネル型のAMPA型グルタミン酸受容体(AMPAR)はリガンド依存性イオンチャネルで、学習や記憶の基盤となる速い興奮性化学神経伝達の多くに関わっている。脳内では、この受容体はチャネルの速度論的性質と受容体の薬理学的性質を変化させる補助タンパク質群と複合体を形成していて、多数の神経疾患がAMPARによるシグナル伝達の異常に結び付けられている。しかし、AMPARの活性型の構造を得ることは難しく、これがチャネルのゲート開閉やシグナル伝達の機構の解明を制限してきた。今回A Sobolevskyたちは、補助タンパク質が結合したAMPAR複合体の構造を低温電子顕微鏡法によって解き、活性型AMPARに関する最初の知見をもたらした。この研究は、イオンチャネル型グルタミン酸受容体での活性化、脱感作、脱感作からの回復という受容体サイクルと関連して起こるゲート開閉、コンホメーション変化および透過経路の変化の基盤を明らかにしている。

    Article

    doi: 10.1038/nature23479 | 全文  | PDF

  • 木星の見事なオーロラ

    Nature 549 (2017年9月7日)

    地球上で最も強いオーロラは、電子がコヒーレントに加速される離散的(discrete)過程によって生じる。もっと弱いオーロラは、磁気的に捕獲された電子の波動散乱に起因する。木星のオーロラは地球のオーロラより数桁強力なので、離散的過程によって生じると考えるのが自然だったが、探査機ジュノーによる初期のin situ観測では、この離散的過程の証拠は見つからなかった。今回B Maukたちは、オーロラの交差点上のいくつかで電子の離散的な下向きの加速を報告しているが、そのエネルギーフラックスは広帯域過程に起因するエネルギーフラックスよりはるかに小さく、広帯域特性は地球とは大きく異なる。

    Letter

    doi: 10.1038/nature23648 | 全文  | PDF

  • 触媒の活性部位を特定する

    Nature 549 (2017年9月7日)

    不均一系触媒は、化学産業やエネルギー産業において極めて重要である。その活性は、反応物分子の生成物分子への変換を制御する特定の部位によって決まる。しかし、反応中にこうした部位を直接特定しモニターすることは、困難である。今回J Pfistererたちは、普及している走査型トンネル顕微鏡を使った、測定中の雑音レベルの変化のモニタリングによって、これが容易に実現されることを示している。著者たちは、収集したデータを用いて、さまざまな欠陥部位や触媒を構成するさまざまな材料間の境界部位などの活性部位をほぼ定量的に識別できた。この情報は、触媒活性全体に対するさまざまな部位の重要性と相対的寄与の直接評価を可能にし、幅広い実用に向けた不均一系触媒の合理的設計や最適化に直接生かすことができる

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    doi: 10.1038/549034a | 全文  | PDF

    Letter

    doi: 10.1038/nature23661 | 全文  | PDF

  • 心臓の非対称性は右から始まる

    Nature 549 (2017年9月7日)

    脊椎動物胚における左右非対称性の確立は、左側の性質を誘導するNodal–Pitx2軸を介したシグナル伝達経路に依存すると考えられている。一方、右側の性質は基本状態であることが示されており、右側ではNodalに駆動される経路が上皮間葉転換(EMT)因子Snailによって抑制されていることが分かっている。今回A Nietoたちは、魚類、ニワトリおよびマウスを解析し、それらの心臓の通常の非対称的な発生には、また別のシグナル伝達経路の働きが必要であることを明らかにしている。BMPに駆動されるこの経路は、側板中胚葉の右側でEMT因子群の発現を促進し、心臓の右向きルーピングに必須な細胞移動を誘導する。著者たちは、脊椎動物の左右非対称性は、発生中の胚の左右で相互に抑制されるNodal経路とBMP経路により規定されると結論付けている。

    Letter

    doi: 10.1038/nature23454 | 全文  | PDF

  • コケにおける性の話

    Nature 549 (2017年9月7日)

    イオンチャネル型グルタミン酸受容体は、動物では神経伝達を仲介する陽イオンチャネルとして働く。J Feijóたちは今回、神経系を持たない生物であるコケにおけるGLUTAMATE RECEPTOR-LIKE(GLR)チャネルの役割を明らかにしている。陸上植物の基部に位置するこの植物は、動物のように運動性の精子を持ち、これらの精子は受精のために走化性によって雌の生殖器官を目指す。著者たちは、GLRチャネルを欠失させるとこの過程が起こらなくなり、GLRはカルシウムを介したシグナル伝達の調節や、接合子発生に必須な転写因子の発現に必要とされるようであることを見いだした。動物の受精でもグルタミン酸受容体が機能しているかどうかは興味深い疑問である。

    Letter

    doi: 10.1038/nature23478 | 全文  | PDF

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    doi: 10.1038/nature23543 | 全文  | PDF

  • 免疫回避の調節

    Nature 549 (2017年9月7日)

    PD-1/PD-L1阻害抗体は、さまざまながんの治療に効果を挙げている。今回M Dawsonたちは、ゲノム規模のCRISPR–Cas9スクリーニングを行い、CMTM6がPD-L1発現の新規調節因子であることを突き止めている。CMTM6は、PD-L1のリソソームによる分解を阻害して再利用を促進することにより、細胞膜でPD-L1を維持する働きをしていることが明らかになった。またこれとは別に、T Schumacherたちは、細胞表面のPD-L1発現に影響する分子や経路を発見するために行った、一倍体遺伝学的スクリーニングについて報告している。彼らは、ケモカイン様因子CMTM6とCMTM4がPD-L1の安定性を調節する細胞内在性因子であることを明らかにし、この軸を治療標的にすることで、がんの免疫療法の改善につながる可能性を示唆している。

    Letter

    doi: 10.1038/nature23643 | 全文  | PDF

    Letter

    doi: 10.1038/nature23669 | 全文  | PDF

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