Nature

Cover Story: 「カーボンメジャー」問題:二酸化炭素排出企業が200件超の熱波の発生を助長した

Nature 645, 8080 (2025年9月11日)

人為起源の温暖化が極端な気象事象の頻度と強度を高めることは明らかになっているが、過去の気象事象を包括的に解析した研究はこれまでなかった。今週号ではY Quilcailleたちが、2000〜2023年に発生した熱波を調べて、気候変動の影響と主要な炭素排出企業の寄与を評価している。彼らは、気候変動が原因で、熱波の発生確率が2000〜2009年には約20倍、2010〜2019年には約200倍増加したことを見いだした。著者たちはまた、化石燃料生産者やセメント生産者に代表される、二酸化炭素排出量が特に多い企業である「カーボンメジャー」180社からの排出が、1850〜1900年以降の熱波強度増加の約半分に寄与してきたことを示している。個々の企業で見てもその寄与は非常に大きく、各社ごとに、産業革命以前の気候では事実上発生し得なかった16~53件の熱波の発生を可能にするほどであった。

今週の目次とハイライト The Nature Top Ten バックナンバー

Nature注目のハイライト

その他のハイライト

Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

その他のNature 著者インタビュー

Nature Café

ネイチャー・リサーチが主催するサイエンスカフェです。グローバルな視点から様々な分野のサイエンスについて、カジュアルな雰囲気の中、一緒に語り合います。

その他のイベント

研究者の皆様

Nature 購読者の皆様への情報、また、Nature に論文投稿をお考えの方、すでに Nature に論文が掲載された著者の皆様に、リプリントサービスや購読特典をご紹介いたします。

著者の皆様へ
投稿サイト

プライバシーマーク制度