Nature

Natureの表紙

Cover Story: RNAポリメラーゼIIIの位置:タンパク質合成を駆動するのをRNAポリメラーゼIIIが助ける転写開始の秘密が、その構造から明らかになった

Nature 553, 7688 (2018年1月18日)

表紙は、RNAポリメラーゼIII(Pol III)と転写因子TFIIIBとDNAからなる複合体のトポロジーを示す、表面とリボンのハイブリッド画像である。RNA Pol IIIは、細胞増殖時のタンパク質合成に不可欠な短いRNAの転写を触媒する。Pol IIIの調節は、主に転写開始段階で行われ、Pol III活性の調節異常はがんなどの疾患につながる。今回、A VanniniたちとC Müllerたちが別々の論文で、17個のサブユニットからなる完全なPol IIIと、TFIIIBの3つのサブユニットであるTBP(ピンク色)、Brf1(黄色)、Bdp1(オレンジ色)で構成される、酵母のPol III転写開始前複合体(PIC)が、プロモーターDNAに結合しているさまざまな機能的状態のクライオ(極低温)電子顕微鏡構造について報告している(裂け目の両側のほどけたDNA鎖を安定化するループが明るい青緑色のリボンで描かれている)。この構造によって、Pol IIIが標的プロモーターへ誘導される詳しい仕組みや、プロモーターDNAが開いて安定した転写バブル構造が形成される仕組みを説明できる。さらに、こうしたPol IIIのPICの構造によって、Pol IやPol IIのPICと構造を比較できるようになった。

Nature 著者インタビュー

柳沢 正史氏

混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

“ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

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