Nature

Cover Story: 細胞のつながり:初めて培養されたアスガルド類アーキアから得られた真核生物の進化の手掛かり

Nature 577, 7791 (2020年1月23日)

植物から動物まで、複雑な生命体は全て真核生物である。真核生物の細胞は、核膜に覆われた核など、膜で区画化された細胞小器官を特徴としている。しかし、真核生物の起源はまだよく分かっていない。井町寛之(海洋研究開発機構)と延優(産業技術総合研究所)たちは今回、初期の真核細胞を生み出した進化経路の解明に役立つ可能性がある新たな単細胞微生物について報告している。著者たちは、真核生物の祖先に最も近縁と考えられている現生の微生物群であるアスガルド類アーキアの1種の培養と分離に初めて成功した。著者たちは、このアーキアを「Candidatus Prometheoarchaeum syntrophicum」と命名し、細胞の倍加時間が14〜25日と増殖速度が極めて遅く、増殖を維持するには共生微生物が必要であることを見いだした。興味深いことに、この微生物の外表面には、表紙に示すような分岐した突起があることが多い。これらの突起によって通り掛かった細菌が捕らえられ、次にそうした細菌が内部に取り込まれ、その後ミトコンドリアなどの膜に閉じ込められた小器官へと進化して、複雑な生命体への準備が整えられた可能性がある。

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Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature 創刊150周年:科学的根拠による真理の探究

2020年1月号

この1世紀半の間に科学は重大な変化を遂げたが、科学的証拠と透明性は、かつてないほど重要になった。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

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Nature 著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature
 混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature
 “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

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