Nature

Cover Story: 乱流の制御:強化学習がAIエージェントに流れの制御の仕方を教える

Nature 657, 8131 (2026年9月10日)

航空から風力タービン、血流まで、流体の乱流は、物理学、工学、医学において重大な課題をもたらす。この問題の根源には、乱流が複雑で制御が極めて難しいという事実がある。今週号ではC Lagemannたちが、AIに流体の流れの制御法を訓練させるのに使える、強化学習のプラットフォームHydroGymで、この問題に取り組んでいる。HydroGymプラットフォームは、空洞流れから翼まで、二次元(2D)と三次元(3D)のさまざまなシナリオを網羅した60以上のベンチマーク済み流体力学環境を特徴とし、AIはこうした環境と相互作用してそこから学習することができる。AIエージェントが所与の目標に近づくような行動をすると報酬を得る、という強化学習を用いて、HydroGymは特定の環境下で乱流を制御するようAIエージェントを訓練することができた。表紙は2D乱流のシミュレーションのスナップショットで、流体の渦が色で表現されている。強調された円はAIエージェントが読み取った流れの部分を表し、エージェントは、これらの読み取った感覚情報に基づいて乱流の制御の仕方を学習する。注目すべきことに、AIエージェントはこの知識を用いて、未経験の環境でも流れを改善できるようになった。これは、HydroGymで訓練されたAIエージェントが、個々の解決法を記録するだけでなく、その根底にある流れ制御の原理を抽出して、異なる状況でも追加訓練なしでそれを使えるようになることを示していると、研究チームは示唆している。

今週の目次とハイライト The Nature Top Ten バックナンバー

Nature注目のハイライト

その他のハイライト

Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

その他のNature 著者インタビュー

Nature Café

ネイチャー・リサーチが主催するサイエンスカフェです。グローバルな視点から様々な分野のサイエンスについて、カジュアルな雰囲気の中、一緒に語り合います。

その他のイベント

研究者の皆様

Nature 購読者の皆様への情報、また、Nature に論文投稿をお考えの方、すでに Nature に論文が掲載された著者の皆様に、リプリントサービスや購読特典をご紹介いたします。

著者の皆様へ
投稿サイト

プライバシーマーク制度