進化:アファール地方の絶滅したホミニン
Nature
2026年1月22日
エチオピア北東部で発見された、約260万年前に絶滅したパラントロプス(Paranthropus)と呼ばれるホミニン(hominin)の化石は、当時この地域に生息していたホミニンの種数を増やすものである。今週のNature に掲載されるこの発見は、人類の古代の親類であるパラントロプスの分布と適応力に光を当てるものである。
エチオピア北東部にあるアファール盆地(Afar basin)は、400万年以上にわたる人類の進化を記録した豊富な化石群を保有している。これには、ヒト属(Homo)およびアウストラロピテクス属(Australopithecus;「Lucy(ルーシー)」など)の両方の種が含まれる。しかし、別のホミニンであるパラントロプスは、アフリカのほかの遺跡では発見されているにもかかわらず、これまでこの地では発見されてこなかった。
Zeresenay Alemsegedら(シカゴ大学〔米国〕)は、アファール地方のミレ・ロギャ(Mille-Logya)研究地域で発見された、パラントロプスに帰属する約260万年前の下顎骨の一部を発表した。この化石は、左下顎骨と部分的な臼歯冠を含む。これは、現存する最古級のパラントロプス化石の一つであり、この属がこれまで考えられていたよりも広範囲に分布していたことを示唆している。この属は、アフリカの東部や南部地域に限定されていたのではなく、ヒト属やアウストラロピテクス属と同様に、エチオピア北部から南アフリカにいたる多様な生息環境を利用できたようである。パラントロプスの分布範囲の拡大は、これまで考えられていたよりも高いレベルの食性や行動の柔軟性を示唆している。
著者らは、この発見がアフリカにおけるホミニンの分布範囲に関する知見を広げ、人類進化の研究に貢献すると結論づけている。
- Article
- Published: 21 January 2026
Alemseged, Z., Spoor, F., Reed, D. et al. Afar fossil shows broad distribution and versatility of Paranthropus. Nature (2026). https://doi.org/10.1038/s41586-025-09826-x
News & Views: A variety of early hominin species shared the Afar region of Ethiopia
https://www.nature.com/articles/d41586-025-03727-9
doi:10.1038/s41586-025-09826-x
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
考古学:インドネシアで発見された最古の岩絵Nature
-
遺伝学:妊娠喪失に関連する染色体異常の遺伝子多様Nature
-
進化:アファール地方の絶滅したホミニンNature
-
環境:地球規模の大気中マイクロプラスチック排出量の調査Nature
-
ロボット工学:便利な手を持つロボットは這い回り、物を拾い上げることができるNature Communications
-
神経科学:脳のトレーニングは免疫システムを高めるのに役立つかもしれないNature Medicine
