疾患の解明や人間の健康の改善に関心をもつ実験系研究者、臨床医、エンジニアのためのジャーナルNature Biomedical Engineering を2017年1月に創刊しました。
Nature Biomedical Engineering は、医用生体工学コミュニティーにとって大きな意義のある原著論文、総説、解説を掲載します。読者層には、疾患の解明や撲滅のための材料、方法、技術、治療法の考案に関心をもつ実験系研究者、医用装置と手順の設計や最適化を行うエンジニア、医用生体工学の研究成果を活用してさまざまな臨床環境および医療的状況で患者の健康評価や治療を行う臨床医が含まれます。
すべてのNature 関連誌と同じように、Nature Biomedical Engineering は、専任の専門エディターチームによって運営され、公正かつ厳格な査読プロセス、高水準の原稿整理と制作、迅速な論文掲載、編集の独立性を特徴としています。
An explainable deep-learning algorithm for the detection of acute intracranial haemorrhage from small datasets
掲載
頭部コンピューター断層撮影スキャンの小規模データセットでトレーニングされた説明可能なディープラーニングアルゴリズムが、放射線専門医に匹敵する能力で急性頭蓋内出血を発見して病理サブタイプを分類する。
Low-cost thermophoretic profiling of extracellular-vesicle surface proteins for the early detection and classification of cancers
掲載
複数の蛍光アプタマーで標識された血清細胞外小胞の表面タンパク質を熱泳動によってプロファイリングするアッセイが、がんの種類およびステージによって患者を検出して分類する。
A designer molecular chaperone against transmissible spongiform encephalopathy slows disease progression in mice and macaques
Nature Biomedical Engineering
掲載
Nature Biomedical Engineering 3, 3 | doi: 10.1038/s41551-019-0349-8 (2012)
Detecting colorectal polyps via machine learning
Nature Biomedical Engineering
掲載
Nature Biomedical Engineering 2, 10 | doi: 10.1038/s41551-018-0308-9 (2012)
酒井 崇匡氏
大量の水を含み弾力性に富んだハイドロゲルは生体軟組織と似ており、医療材料として注目されている。一方で、生体内で膨潤、白濁、炎症などを引き起こすといった問題も抱えており、広く実用化されているものはあまりない。このほど、酒井崇匡・東京大学大学院准教授らは、膨潤や白濁の問題をクリアし、液体からゲル化までの時間も制御できる、注入可能なハイドロゲルを開発。実際にこのハイドロゲルをウサギに導入し、長期の埋め込みが可能な人工硝子体としての安全性を確認した。
2018年9月初旬、Nature Biomedical Engineering のPep Pàmies編集長が来日しました。Nature Biomedical Engineering は、組織工学、バイオメディカルイメージング、再生医療、医療機器、細胞療法、体外診断などの応用生物医学分野で最新の成果を扱うジャーナルです。日進月歩のこの分野においてPàmies編集長は、ジャーナルの運営やその内容の管理監督はもちろんのこと、社説の執筆やレビューなどの依頼、論文をはじめとする原稿の対応、さらにはトレンドの追跡調査など、多岐にわたる業務に当たっています。