Research Press Release

健康:腸内環境の自宅検査キットの結果はキットやメーカーによって異なる

Communications Biology

2026年2月27日

腸内細菌叢の自宅検査キットによる結果と健康評価は、同じメーカー製か異なるメーカー製かによって異なる。オープンアクセスジャーナルCommunications Biology に掲載される7社の検査キットに関する研究結果は、検査結果の解釈や行動に移す際に注意が必要であることを示している。

消費者向け腸内微生物叢検査キットは、個人の微生物叢構成に関する情報を提供し、多くの利用者がこの結果を健康評価の生成に用いている。しかし、これらの検査の正確性は依然として不確かであり、これまでその性能を体系的に評価した研究は存在しなかった。

Stephanie ServetasとScott Jacksonら(アメリカ国立標準技術研究所〔米国〕)は、7社の匿名化された企業から提供された21種類の消費者向け腸内微生物叢検査キットの結果を比較した。全キットは、同一ドナーの混合便サンプルを分析した。著者らは、特定の腸内細菌種の豊富さがキット間で大きく異なることを発見し、下痢の原因菌クロストリディオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile)を含むヒト病原菌属クロストリジウム属(Clostridium)の変動が特に顕著であった。アメリカン・ガット・プロジェクト(American Gut Project)が報告したクロストリジウム属の平均存在量は、2.5%強であったが、本研究対象の1社はその5倍の存在量を報告し、ほかの3社は1つ以上のサンプルで検出できなかった。健康評価の正確性を検証した際、同一企業のキットで分析した3つの同一サンプルのうち1つが「不健康」と分類されたのに対し、ほかの2つは「健康」と分類された。

著者らは、標準化された検体採取手順、サンプル処理と分析法の欠如、および検査会社が用いる測定基準がこうした差異の一因となり得ると指摘している。採取プロトコルと検査方法の標準化が、消費者向け微生物叢検査の正確性の向上に寄与する可能性を示唆している。

Servetas, S.L., Gierz, K.S., Hoffmann, D. et al. Evaluating the analytical performance of direct-to-consumer gut microbiome testing services. Commun Biol 9, 269 (2026). https://doi.org/10.1038/s42003-025-09301-3
 

doi:10.1038/s42003-025-09301-3

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