物理学:スニーカーがきしむ音の秘密
Nature
2026年2月26日
バスケットボールシューズが磨かれたコート上で滑る際に発生するきしむ音は、やわらかい素材の表面が波打つように変形することで生じる。今週のNature に掲載される研究は、この現象を制御する方法を明らかにし、これにより、材料間の摩擦を制御できるかもしれない。
二つの表面間で生じる力学を理解することは、合成材料から地質学的断層にいたるまで、さまざまなシステムにおける摩擦の影響に関する知見をもたらす可能性がある。やわらかい材料が硬い表面を滑ると、きしむ音を引き起こすことがある。表面間の相互作用を調べたこれまでの研究では、二つの材料がくっついて滑る際にパルスが発生すると示唆されてきたが、そうした研究はきしむ音を生じないゆっくりした動きに焦点を当てていた。
Katia Bertoldiら(ハーバード大学〔米国〕)は、音が生じる速度での表面間相互作用を観察した。著者らは、滑らかなガラス板に接触するバスケットボールシューズのきしむ音を撮影した。高速撮影により、ゴム製の靴底が表面上を断続的に波打つように変形していく様子をとらえた。きしむ音のピッチ(音の高さ)は、これらのバースト(断続的なパルス)の発生頻度と一致しており、その頻度は靴底の硬さと厚さによって決まる。さらに、ほかのサンプルを用いた追加実験では、やわらかい表面が滑らかな場合、パルスは不規則で鋭い音は発生しないが、溝のある表面(スポーツシューズのグリップパターンなど)では、パルスの周波数が一定で、高音のきしむ音が発生することが明らかになった。
同時掲載されるNews & Viewsの中で、Bart Weberは「この研究は、強く固定された界面での滑りの性質について、より深い疑問を投げかけている」と述べている。さらに、「これらの過程が最終的に理解され、制御されるようになれば、摩擦の挙動を意図的に調整する方法が示されるかもしれない」と付け加えている。
- Article
- Published: 25 February 2026
Djellouli, A., Albertini, G., Wilt, J. et al. Squeaking at soft–rigid frictional interfaces. Nature 650, 891–897 (2026). https://www.nature.com/articles/s41586-026-10132-3
Nature Video: The surprising science of squeaky sneakers
https://www.nature.com/articles/d41586-026-00620-x
Nature Podcast: How earthquakes and lightning help explain squeaky sneakers
https://www.nature.com/articles/d41586-026-00619-4
doi:10.1038/s41586-026-10132-3
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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