健康:色覚異常は膀胱がんの予後を悪化させるかもしれない
Nature Health
2026年1月16日
膀胱がん患者で色覚異常を併発している場合、正常な色覚をもつ患者と比べて生存率が低下する可能性があることを報告する論文が、Nature Health に掲載される。この研究は、医師がこの患者群に特に注意を払い、追加検査が生存率向上につながるかどうか検討すべきであると示唆している。
膀胱がんおよび腸がんは、最も一般的ながんの一つであり、初期の警告サインとして尿や便に血が混じる症状があげられる。しかし、色覚異常(特定の色、特に赤色を識別しづらい、あるいはまったく識別できない状態)を有する患者にとっては、この兆候を見逃しやすい。血が気づかれなければ、診断と治療が遅れる可能性がある。
Ehsan Rahimy(スタンフォード大学〔米国〕)とMustafa Fattahらは、色覚異常の有無による膀胱がんおよび大腸がん患者の転帰を比較した。その結果、膀胱がんおよび色覚異常を有する患者135人と、正常な色覚をもつ膀胱がん患者135人を比較したところ、色覚異常のある膀胱がん患者群は生存確率が低く、診断後20年間での死亡リスクが52%高かった。一方、大腸がんおよび色覚異常を有する患者187名と対照群187名では生存率に有意差は認められなかった。
著者らは、この差異は膀胱がんが血尿以外の症状を示さないことが多いのに対し、腸がんは痛みや排便習慣の変化などのほかの兆候を引き起こす可能性があるためだと示唆している。著者らは、色覚異常を有する多くの人々が正式に診断されない可能性があることなど、いくつかの限界を指摘している。今後の研究では、これらの結果を検証し、色覚異常を有する高リスク集団に対する膀胱がんスクリーニングが生存率を改善するかどうかを探るべきである。
- Article
- Published: 15 January 2026
Fattah, M., Alsoudi, A.F., Mruthyunjaya, P. et al. Impact of colour vision deficiency on bladder and colorectal cancer survival. Nat. Health 1, 113–119 (2026). https://doi.org/10.1038/s44360-025-00032-7
News & Views: Colour blindness as a risk factor for bladder cancer
https://www.nature.com/articles/s44360-025-00029-2
doi:10.1038/s44360-025-00032-7
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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