注目の論文
ドーパミンと不安症
Nature Neuroscience
2008年11月3日
Dopamine and anxiety
Nature Neuroscience(電子版)に掲載される研究によると、悲観的な情動の合図(cue)に対する応答の個人差は、脳に貯蔵できるドーパミン量の違いに基づくものである。このことは、人によってストレスの多い出来事や感情的な出来事を処理するやり方が違うことを説明する上で役立つだろう。
A Heinzらは、神経伝達物質であるドーパミンを貯蔵できる容量を扁桃体で測定した。扁桃体は脳の情動処理にかかわる領域で、ドーパミン貯蔵容量と情動処理の個人差には関連があることがわかった。悲しい絵を見ると、ドーパミン貯蔵容量の大きい人ほど扁桃体と前帯状皮質の活動が高まる。さらに、扁桃体と前帯状皮質の機能共役は被験者の特性不安(trait anxiety)の標準検査における得点と逆相関した。
この研究によると、人の気質の違い、特にストレスが多い出来事や感情的な出来事を処理するやり方に関しては、ドーパミン貯蔵容量の個人差が1つの説明となりうる。
doi: 10.1038/nn.2222
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