注目の論文
転写の終結
Nature Methods
2013年6月3日
Transcription turn off
転写を効率的に停止させて複雑度の高い遺伝子経路の設計を可能にする天然および人工のDNA転写終結シグナルについての報告が、今週のオンライン版で発表される。
生物学的経路の作製では、1本のDNA上に異なる遺伝子が組み合わせられる場合が多く、各遺伝子の起点および終点を正確に規定してそれぞれの遺伝子の転写および翻訳が正しく行われるようにする必要がある。終結が不十分な場合は必要な部位で転写が停止せず、機能を持たない遺伝子産物が生成するが、現時点で存在する強力な転写終結シグナルはわずかである。同一DNA上に同じ転写終結シグナルが複数回用いられると相互に組み換えを生ずる場合が多く、回路の整列状態が崩れるため、転写終結シグナルの不足は回路設計の複雑度を制限する。
Christopher Voigtたちは、大腸菌がもともと持っている数百種類の転写終結シグナルをスクリーニングした。さらに、その設計原理を明らかにし、それを応用してひとつひとつ強度が定量的に明らかにされた転写終結シグナルを数百個構築した。それにより、細胞分裂を70回行っても安定な転写論理ゲートが作製された。
doi: 10.1038/nmeth.2515
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