注目の論文
【医学研究】幹細胞と遺伝子治療の組み合わせによる筋ジストロフィーの治療
Nature Communications
2013年3月6日
Medical Research: Getting to grips with muscular dystrophy
幹細胞と遺伝子治療を組み合わせて、筋ジストロフィーのマウスの治療に成功したことが明らかになった。今回の研究では、筋ジストロフィーのマウスに由来する誘導多能性幹細胞(iPS細胞)を遺伝的に修正して使用したのだが、これが、筋ジストロフィーの治療に向けた重要な一歩となる可能性がある。この研究成果を報告する論文が、今週掲載される。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、ジストロフィン遺伝子の変異を原因とする神経筋疾患の一種で、進行性の難病だ。今回、R Perlingeiroの研究チームは、重症型筋ジストロフィーのマウスから繊維芽細胞を抽出して、iPS細胞に変換した。そして遺伝的異常を修正したうえで、筋前駆体細胞に分化させて、それぞれの細胞のドナーだったマウスに移植し戻した。その結果、遺伝的に修正された細胞によって正常に機能する筋繊維が形成し、マウスの筋力が改善した。
doi: 10.1038/ncomms2550
注目の論文
-
5月9日
生物学:人為起源の地球規模の変化が感染症伝播リスクに影響を及ぼしているNature
-
5月8日
生態学:マッコウクジラの複雑な鳴音を調べるNature Communications
-
5月7日
遺伝学:APOE4遺伝子バリアントはアルツハイマー病の他とは異なる遺伝的タイプである可能性があるNature Medicine
-
5月3日
動物学:薬用植物を使って創傷治療を行う野生動物が初めて報告されるScientific Reports
-
5月3日
進化学:地球の磁場が弱くなっていたために地球上の生物の多様化が進んだのもしれないCommunications Earth & Environment
-
5月2日
人類学:長期的レジリエンスは苦難によって構築されるNature