注目の論文
【考古学】先史時代の南米における人口動態
Nature
2016年4月7日
Archaeology: Catching population waves in prehistoric South America
南米は、人類が居住可能な大陸の中で最後に定住した大陸だが、先史時代の南米での人類定住が2つの段階を経ていたことが、最新の研究で明らかになった。また、最も初期の最も顕著な人口増加パターンが、ペルー、チリ、エクアドルの太平洋沿岸で見られた。この研究成果を報告する論文が、今週のオンライン版に掲載される。
今回、Amy Goldbergたちは、新たにまとめられた1,147か所の遺跡の放射性炭素年代測定のデータベースを用いて、南米でのヒトの人口増加の推移を組み立てた。その結果、このデータに最もよく適合するモデルとして、南米における長期的なヒト集団サイズの2段階モデルが明らかになった。このモデルの第1期(約14,000~5,500年前)には、ヒトが南米大陸全体に急速に拡大したが、その集団サイズは小さく、侵入種の個体数増加に類似している。第2期(約5,500~2,000年前)は、人口が指数関数的に増加した時期で、人口は3倍増した。この人口増加パターンは、北米、ヨーロッパとオーストラリアにおけるものとは異なっている。
このように人口が指数関数的に増加する時期が生じた原因は、定住型農耕社会の勃興であり、それより数千年前の野生動物の家畜化の活発化ではない、とGoldbergたちは結論づけている。
doi: 10.1038/nature17176
注目の論文
-
5月9日
生物学:人為起源の地球規模の変化が感染症伝播リスクに影響を及ぼしているNature
-
5月8日
生態学:マッコウクジラの複雑な鳴音を調べるNature Communications
-
5月7日
遺伝学:APOE4遺伝子バリアントはアルツハイマー病の他とは異なる遺伝的タイプである可能性があるNature Medicine
-
5月3日
動物学:薬用植物を使って創傷治療を行う野生動物が初めて報告されるScientific Reports
-
5月3日
進化学:地球の磁場が弱くなっていたために地球上の生物の多様化が進んだのもしれないCommunications Earth & Environment
-
5月2日
分子生物学:運動の健康効果の基礎をラットの研究で解明するNature