Research Press Release
アスピリンは有益な脂質につながる
Nature Chemical Biology
2010年5月3日
Nature Chemical Biology(電子版)に発表される研究で、アスピリンの標的COX-2が生じさせる脂質が抗酸化性および抗炎症性をもつことが明らかにされた。
ω-3脂肪酸は、抗炎症性をもつことや脳および網膜の発生で重要な役割を担っていることなど、さまざまな健康上のメリットをもつことが知られている。
質量分析法により、Bruce Freemanたちは、マクロファージという免疫系細胞がもつ2種類のω-3脂肪酸に作用するCOX-2がもたらす新たな4種類の脂肪酸を同定した。この新たなシグナル伝達脂質EFOXは抗炎症作用および抗酸化作用を示し、その作用はCOX-2の活性化を介してアスピリンによって強化することができる。
doi:10.1038/nchembio.367
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
心理学:AIが生成した応答を人間によるものと表示すると共感が高まるNature Human Behaviour
-
加齢:慢性炎症はすべての集団において加齢と関連するとは限らないNature Aging
-
動物学:笑い声を聞いたボノボは、報酬を期待する可能性が高まるScientific Reports
-
コンピューターサイエンス:コンピュータービジョンの研究が監視技術にどのように活用されているかNature
-
生態学:バッタの群集行動を抑制Nature
-
天文学:新惑星の発見が宇宙の知識の空白を埋めるNature