Research Press Release

汚れた血液を浄化する

Nature Medicine

2014年9月15日

脾臓の働きを模倣して、血液から病原体や毒素を迅速かつ持続的に除去する体外式血液浄化装置が開発された。この装置の検証はラットで行われたが、将来的にはヒトの血液感染や、症例の30~50%が死に至る敗血症性ショックの治療法につながるかもしれない。

D Ingberたちは、ヒト血液タンパク質(マンノース結合性レクチン)に遺伝子操作を加えて作ったタンパク質で被覆した磁性ナノビーズを体外循環させた血液に加えて、さまざまな病原体や毒素を捕捉する装置を開発した。ビーズに結合した病原体や毒素を磁石により取り除いた後に、浄化された血液がラットの体内に戻されたが、血液の組成には目立った変化はなく、凝固も起こらなかった。

この装置により、敗血症カスケードに関わることが知られている炎症促進性の免疫系サイトカインの一部の濃度を下げられること、また急性敗血症性ショックのラットモデルで重要な働きをする毒素も除去できることが明らかにされた。

doi:10.1038/nm.3640

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度