Research Press Release
小児性脳腫瘍に関連する遺伝子変異
Nature Genetics
2014年4月7日
子どもの命を奪う小児脳腫瘍に関連する遺伝的変異について報告する4編の論文が、今週のオンライン版に掲載される。今回の研究で得られた知見は、特定の種類の小児脳腫瘍の原因解明に役立つ可能性がある。
子どものがん関連死の主たる原因が脳腫瘍なのだが、Cynthia Hawkinsたちは、小児脳腫瘍の一種のびまん性内在性橋膠腫(DIPG)検体の20%でACVR1遺伝子の変異を見いだした。一方、Suzanne Bakerたちの研究では、DIPG検体の33%でACVR1遺伝子の変異が見つかり、Chris Jonesたちの研究では、DIPG検体の21%でACVR1遺伝子の変異が見つかった。現在のところ、DIPGに有効な治療法はない。これらのACVR1遺伝子の変異が、がん検体から見つかったのは、今回が初めてだが、これまでには、遺伝性筋疾患の一種である進行性骨化性線維形成異常症との関連が明らかになっていた。さらに、Nada Jabadoたちの研究では、別の小児脳腫瘍である高悪性度星細胞腫の検体の約13%でACVR1遺伝子の変異が見つかった。
doi:10.1038/ng.2936
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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