Research Press Release
乾癬に関連する遺伝的多型
Nature Genetics
2010年10月18日
乾癬に対する高い感受性と関連する遺伝的多型が、Nature Genetics(電子版)に掲載される5編の論文で報告される。乾癬は、慢性再発性皮膚疾患で、最も多くみられる自己免疫疾患の1つだ。全世界での罹患率は2〜3%となっている。
R Trembathらは、英国での乾癬の症例(2,622例)と健常対照例(5,667例)を対象としたゲノムワイド関連解析を行い、次いでヨーロッパでの複数の研究による9,000人以上のデータで追試を行い、当初の解析結果を再現した。この解析では、乾癬に関連する6つのゲノム領域が新たに同定され、乾癬に関連する2つのゲノム領域間の相互作用を示す証拠が見つかった。
A Frankeらの研究チームとA Reisらの研究チームは、ドイツ人集団を対象とした乾癬のゲノムワイド関連解析をそれぞれ行い、TRAF3IP2遺伝子の多型が乾癬に関連していることを見いだした。
J Elderらは、最近実施された2つの乾癬のゲノムワイド関連解析で得られたデータのメタ解析を行い、乾癬に関連する3つのゲノム領域を新たに同定した。
さらにX-J Zhangらは、中国人集団を対象としたゲノムワイド関連解析を行い、乾癬に関連する6つのゲノム領域を新たに同定した。この解析結果をヨーロッパでの複数の研究による知見と比較したところ、乾癬の遺伝的感受性因子は、集団間に違いがあることが明らかになった。
doi:10.1038/ng.694
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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