Research Press Release

特異なインターフェロン受容体複合体

Nature Immunology

2013年7月22日

インターフェロンβが、非常によく似たインターフェロンαとは異なった作用を免疫系にもたらす理由が解明された。

インターフェロン(IFN)は免疫系の可溶性メディエーターで、微生物感染や腫瘍に対する自然免疫応答と獲得免疫応答の両方に影響をおよぼす。I型IFNファミリーには、数種類のIFN-αと1種類のIFN-βが含まれ、どちらもIFNAR2とIFNAR1からなる受容体複合体によって認識されるが、情報伝達機能のほとんどを担うのはIFNAR2サブユニットである。

Paul HertzogとJamie Rossjohnは、IFN-βが、単独のIFNAR1と高親和性複合体を形成することを発見した。この結合では、IFNAR2-IFNAR1複合体によって誘導されるのとは別の情報伝達経路が起動され、別の遺伝子群の活性化につながる。

IFN-αは肝炎ウイルス感染患者の治療に利用され、IFN-βは特に多発性硬化症(MS)患者の症状緩和に利用されるので、今回の知見は臨床的に重要な意味がある。

doi:10.1038/ni.2667

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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