Research Press Release
サウジアラビアの火山噴火危機
Nature Geoscience
2010年9月27日
地下の火山活動と3万個以上の地震が2009年5月にサウジアラビア北西部を襲ったと、Nature Geoscience(電子版)に発表される。活動的な海洋拡大中心の隣にある大陸縁辺は、これまでは地震学的にも火山学的にも活動的ではないと考えられてきた。しかし、この発見は、この地域が重大な地学的災害の危険にさらされていることを示している。
J Pallisterらは、野外調査、人工衛星および地震学的データを用いて、古代の溶岩地帯であるサウジアラビア、ハラット・ルナイールで地震活動の観測を実施した。火山噴火の危険があったときに、地表面は8キロメートルの長さにわたり断層が生じて割れ、マグマが地表直下に満たされた。ハラット・ルナイールは、紅海の下にある活動的な海洋拡大中心からほぼ200キロメートル離れた大陸縁辺に位置するため、これまでは活動的ではないと考えられてきた。
予想外の火山と地震の危険が迫ったために4万人がその地域から避難する結果となり、大陸地溝帯縁辺域の理解を再評価する必要に迫られている。
doi:10.1038/ngeo966
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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