Research Press Release
インド洋の海水面パターン
Nature Geoscience
2010年7月12日
インドネシアのスマトラおよびインド洋北部の海岸は、全球平均よりも顕著に高い海水面上昇にさらされているが、セイシェル諸島およびケニヤとタンザニアの東海岸は、ほとんどあるいは全く変化していない。Nature Geoscience(電子版)に掲載されるこの研究は、過去半世紀の間に検出された地域的な海水面変動パターンについて注目しており、それらが人為的な気候温暖化に関連があると示唆している。
W Hanらは、1960年代以降のインド洋の海水面について、海洋観測、人工衛星データおよび気候モデルのシミュレーションを用いて、その地域的な傾向を調べた。彼らは、熱帯の南インド洋で海水面が低下しそれ以外では上昇するという、はっきりとした海水面変動のパターンを同定した。Hanらは、このような地域的な差異は、南北方向と東西方向の両方で大気逆転循環の強さが増大していることが原因であるとしている。この一部は気候温暖化によって生じており、同様なパターンの海水面変動が将来起こる可能性があることを示唆している。
doi:10.1038/ngeo901
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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