Research Press Release

心筋梗塞時の心室細動

Nature Genetics

2010年7月12日

心筋梗塞時の心室細動(心室収縮の協調性が失われた状態)に関連する遺伝的多型について報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。この研究で、心室細動と心突然死に関与している可能性のある経路が新たに発見されたことが示されている。

急性心筋梗塞の際に生じる心室細動は、心臓関連死亡例と全死亡例の主たる原因の1つである。今回、C Bezzinaらは、初めて急性心筋梗塞を起こした972人の患者を対象として、心室細動感受性のゲノムワイド関連解析を行い、その結果を報告している。この解析結果は、入院時に心筋梗塞と心室細動が確認された146人の院外心停止患者と391人の心筋梗塞の病歴のある患者において再現された。Bezzinaらは、心筋梗塞時の心室細動に関連するゲノム遺伝子座を同定したが、この遺伝子座は、これまで心臓関連形質との関係が認められたことがなかった。

doi:10.1038/ng.623

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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