Research Press Release
マラリアが誘発する骨髄の変化
Nature Immunology
2010年5月3日
急性のマラリア感染によって、感染と闘う特殊な血液細胞前駆体が生じるのが見つかった。血液供給システムを「だまして」病気と闘う免疫細胞をもっと多量に作らせる新しい治療法が、この発見から生まれる可能性がある。
新生血液細胞は、骨髄で発生する。A Potocnikたちは、ネズミマラリア原虫Plasmodium chabaudiが感染したマウスが一時的に独特な骨髄細胞を作り、これがマラリアと闘う強力な自然免疫細胞へと分化することを発見した。
この感染誘発性細胞は、体内のほかの場所に生じた感染によってγインターフェロン(炎症促進性メディエーター)が放出されると、それに応じて発生する。つまり引き金となる感染に対して骨髄が応答し、感染と闘って病原体を排除するのに必要な防御細胞の生産が増加する。
doi:10.1038/ni.1869
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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