Research Press Release
頻度は少ないがより強力な熱帯サイクロン
Nature Geoscience
2010年2月22日
熱帯サイクロンは、気候変動に応答して全体としては頻度が減少する傾向にあるが、最大規模のサイクロンは確実に頻度が増大することが予測されていると報告された。より強力な嵐が来ることで、嵐の中心では降雨量の増加が起きると考えられる。
世界気象機関の熱帯サイクロンおよび気候変動専門家チームのT Knutsonらは、過去の熱帯サイクロン活動と将来の予測に関する論文を再検討した。彼らは、過去のハリケーン活動の変化は、主に記録が不完全なことと長期にわたる天然の変動が大きいために、自然の変動とは区別できないと結論している。しかしながら将来の予測は、気候がより温暖になるに従って、最大規模の熱帯サイクロンは確実に増加することを指摘している。
doi:10.1038/ngeo779
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
環境科学:火山活動が中世ヨーロッパにペストをもたらしたかもしれないCommunications Earth & Environment
-
人工知能:チャットボットは投票意向に影響を与えるかもしれないNature
-
社会科学:不安定なビデオ通話は、会話だけでなくそれ以上のものを損なうNature
-
天文学:衛星による光害が宇宙天文学研究を脅かしているNature
-
素粒子物理学:風変わりなクォーク四重項の定量化Nature
-
動物の行動:病気のアリはコロニーを守るため自ら犠牲となるよう合図するNature Communications
