Research Press Release

ゼブラフィッシュで精神病薬が発見される?

Nature Chemical Biology

2010年1月18日

今週のオンライン版『Nature Chemical Biology』の発表論文によれば、神経障害の新薬を発見するための有力なプラットフォームがゼブラフィッシュから得られるかもしれない。神経系で作用する薬物が1950年代に発見されたことは、神経生物学の理解にとっても神経疾患の治療にとっても極めて重要であった。しかし、これまでに神経疾患用に発見された薬物はごくわずかである。

今回Randall Peterson、David Kokelたちは、神経疾患薬の種類によってゼブラフィッシュの行動パターンが異なることを明らかにした。さまざまな物質が行動に与える作用を観察することにより、研究チームは、行動に影響する新たな物質を同定し、そうした物質がどのように作用しているのかを推測することができた。

ゼブラフィッシュにおける薬物の作用に関するこの「行動バーコード」は、神経疾患用のリード化合物の同定に極めて有用な新しい方法をもたらすものである。

doi:10.1038/nchembio.307

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度