Research Press Release
糖尿病へのカギとなる炎症
Nature Immunology
2010年9月13日
2型糖尿病の発症に炎症がどうかかわるかについての報告が寄せられている。
2型糖尿病(T2D)は、非常によくみられる生命にかかわる病気で、膵臓にアミロイド繊維が蓄積するという特徴がある。しかしこれまでは、アミロイド繊維が糖尿病発症にどのような意味をもつかはわかっていなかった。
S Mastersたちは、マクロファージ(壊死細胞片の除去を行う免疫細胞)が、これらのアミロイド繊維を取り込むことを明らかにした。これがスイッチになって、いわゆる「怒ったマクロファージ」が多数の炎症性タンパク質を分泌し、これがインスリン分泌細胞の破壊を引き起こし、T2Dの発症に結びつくという。
今回の研究から、アミロイド繊維による膵臓マクロファージの活性化を防ぐ方法があれば、T2Dの治療や予防に役立つ可能性があることが示唆される。
doi:10.1038/ni.1935
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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