Research Press Release
ハワイ周辺の熱帯低気圧の進路が変化する
Nature Climate Change
2013年5月6日
ハワイ諸島周辺では、21世紀の終わりにかけて、低気圧の発生が増加するという予測が明らかになった、今回の研究では、熱帯低気圧が増加する一因が、低気圧の進路を変化させるほどの大規模な環境条件の変化であることが示されている。
今回、村上裕之(むらかみ・ひろゆき)たちは、数々のモデル、分解能、環境変数を用いて、2075~2099年の低気圧の活動を予測した。ハワイに影響を与える低気圧は、メキシコ沿岸沖で発生する傾向があり、今回の研究結果は、低気圧の頻発が、外洋での低気圧のトラックが北西方向に移動していることと主に関連していることを示している。
もっと高温の環境で発生する低気圧は少なくなる可能性があるが、実際に発生する低気圧はハワイに達する可能性が高く、低気圧による経済的被害やその他の影響が発生するリスクが上昇すると予測されている。
doi:10.1038/nclimate1890
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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