Research Press Release

がんワクチンの見直しで効果を改善

Nature Medicine

2013年3月4日

がんのワクチン療法で患者の腫瘍を取り除こうとしてもそれほどの効果が上がらないのは、ワクチンの製剤が原因かもしれない。この知見はメラノーマのマウスモデルで得られたものだが、ワクチン療法の開発に広くかかわってくる可能性がある。

Willem Overwijkたちは、メラノーマ特異的免疫応答を誘導するためにペプチド抗原の油中水型エマルション製剤をマウスに注射すると、T細胞は腫瘍のところへと動員される代わりに注射した部位へと引き寄せられ、そこにとどまって機能せず、最終的にはアポトーシスすることを明らかにした。一方、注射部位に長時間とどまらないようなペプチドとアジュバント製剤は、効果的な抗腫瘍T細胞応答を誘導する優れた作用を示した。これらの結果が示すように、アジュバントの中にはワクチンの効果を損なうものもあるのに対し、より素速く分解されるような製剤にすれば、T細胞が注射部位にとどまるのを防いで、これを疾患部位へと誘導してくれるため、ワクチンの臨床成績が改善される可能性がある。

doi:10.1038/nm.3105

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度