Research Press Release
【材料】ウイルス認識用の合成材料
Nature Communications
2013年2月20日
ウイルスを認識できる合成ナノ粒子材料を作製する方法について報告する論文が、今週掲載される。今回の研究では、この有機‐無機複合材が水中に超低濃度で存在するウイルス粒子を選択的に認識できることが実証された。ウイルスの生産と診断に応用でき、最終的には治療法への応用も可能になるかもしれない。
低分子を認識できる材料に関する研究報告が幅広く行われてきたが、ウイルスは大きいため、その認識は難題になっている。今回、P Shahgaldianたちは、ウイルス自体をテンプレートとして用い、ウイルスの周囲に有機シリカの層を成長させた。そして、ウイルスを除去すると、正しい大きさと形状のウイルスの痕跡が残り、このウイルスとの選択的な結合が可能になった。このテンプレート作製過程が、この合成材料の高い性能と選択性をもたらしている。
doi:10.1038/ncomms2529
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
考古学:古代のゲノムからアバール人コミュニティーの社会組織と権力の再編が明らかになったNature
-
天体物理学:マグネターの巨大フレアという珍しい現象が観測されたNature
-
創薬:脳オルガノイドを使って神経発達障害の治療法を検証するNature
-
医学:実験室で培養された「ミニ結腸」をがん研究に用いるNature
-
遺伝学:鳥の歌のリズムを調べるNature Communications
-
心理学:画像の特徴は時間の経過の感じ方に影響を及ぼす可能性があるNature Human Behaviour