Research Press Release
【診断法】チップ上にバイオマーカーの測定結果が棒グラフで表示される
Nature Communications
2012年12月19日
疾患のバイオマーカーを測定でき、低コストで使い勝手の良いマイクロ流体デバイスについて報告する論文が、今週掲載される。いわゆるV-Chipは、光学部品や電子部品を用いずに、生物学的試料中のバイオマーカーの濃度を迅速に測定して表示する。
携帯型診断装置の開発において、疾患バイオマーカーの定量的測定は、きわめて重要な要件なのだが、まだ実現されていない。これまでに開発された大部分のシステムは、電子センサーや光学システムを用いていたが、複雑で、コストもかかる。今回、L Qinたちが開発したV-Chipデバイスは、バイオマーカーの検出と酵素による酸素産生を組み合わせたものだ。この酸素ガスによって、赤いインクが、この装置上の微小チャネルの中を移動する。その移動距離は、試料中のバイオマーカーの量に比例している。Qinたちは、最大50点の試料を並行して測定し、定量的結果が装置上の直観的なインクの棒グラフとして直接表示されるチップの設計例を数多く示している。
この方法はビジュアルな性格を有し、単純なため、さまざまな診断用途に応用される可能性がある。
doi:10.1038/ncomms2292
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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