Research Press Release
赤熱のクラックを観察する
Nature Materials
2012年12月10日
X線コンピューター・マイクロトモグラフィーは、サンプルにさまざまな角度からX線を照射して得た数百枚もしくは数千枚の断面からデジタルレプリカを再構成する技術であり、生体組織や硬質構造材料を破壊せずに画像化するために広く利用されている。しかし、高性能材料を1,000℃を超える温度、引張もしくは圧縮荷重、腐食性物質の存在といった想定使用条件下で画像化する装置を設計することは困難であった。このたびRobert Ritchieらは、厳しい環境条件下におかれたセラミックス母材や繊維系複合材料中で進行するクラックを、数マイクロメートルから数ミリメートルの範囲で、高解像度・リアルタイムでスキャンする装置を設計した。その装置を用いることによって、微小クラックの経路、クラックの表面積や方向などの情報が得られる。
Ritchieらの手法で得られる大量の情報には、材料の基本的破壊機構に関する極めて重要な情報が含まれている。
doi:10.1038/nmat3497
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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