Research Press Release
ヒトの尿に含まれる細胞を再プログラムして神経前駆細胞を得る
Nature Methods
2012年12月10日
神経前駆細胞は、研究用およびスクリーニング用のニューロンの有用な供給源となる可能性がある。ニューロンと異なり、この前駆細胞は細胞分裂を行うため、培養皿上で増殖させてから研究用のニューロンに分化させることができる。神経変性疾患患者からの神経前駆細胞の作製には、大きな関心が寄せられている。Duanquing Peiたちが発表しているのは、特定の培養条件を再プログラム転写因子への一時的な曝露と組み合わせることによってヒトの尿に含まれている細胞を神経前駆細胞に転換する再プログラム法である。この前駆細胞からは、機能性のニューロンをin vitroで効率的に得ることができ、効率は落ちるもののグリア細胞も得られる。
再プログラム用の細胞は成人ドナーの尿から非侵襲的に採取されるため、研究チームは、疾患特異的な神経前駆細胞がこの方法で作製可能になると考えている。この細胞から作製されるニューロンは、神経変性疾患の研究および新薬のスクリーニングに有用なものとなる可能性がある。
doi:10.1038/nmeth.2283
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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