Research Press Release
殻を持つ海洋生物に腐食の徴候
Nature Geoscience
2012年11月26日
南洋の生きた軟体動物の殻は厳しい溶解の徴候を示しているという報告が、今週、Nature Geoscience(オンライン版)に掲載される。この発見は、海洋生態系に与える海洋酸性化の影響が現れ始めていることを示唆している。
Geraint Tarlingたちは、南極を取り囲む南洋の表層水中の生きた軟体動物から収集された殻を調査した。海洋でより酸性化が進んだ地域からの殻の試料は、顕著な溶解の徴候を示していた。研究者は、溶解は深部の二酸化炭素に富んだ水と大気中の二酸化炭素の影響を受けた表層水の混合が原因と考えている。
関連するNews and Viewsの記事で、Justin Riesは報告された腐食は「南洋の大部分の領域で表層水に起こりうることの前触れとなっている可能性がある」と示唆している。
doi:10.1038/ngeo1635
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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