ヒトの造血の初期段階を規定する
Nature Immunology
2012年9月3日
ヒトの骨髄に認められる特別な細胞集団が、今週のNature Immunologyで紹介される。ホーミング分子「L-セレクチン」を発現するこのサブセットは、ある種の白血球を生ずるものとして、知られているかぎりで最も初期の段階のものである。この集団の発見は、正常な血球の発生を理解するうえで有用であるとともに、重要なこととして、各種の白血病につながる異常な発生のてがかりとなる可能性がある。
Gay Crooksたちは、発生能に関してヒト骨髄細胞を精査するため、培養皿、ならびに移植されたヒトの幹細胞および前駆細胞から血球を生ずる免疫不全マウスを用いた。それによってL-セレクチン陽性のサブセットが発見されたが、これは、静止状態の造血幹細胞(すべての血球の起源)から、抗体を産生するB細胞を形成するよう発生的に変化したサブセットとしてすでに発見されていたものにいたる途中の発生的中間状態のものである。このサブセットに関して研究チームは、赤血球および血小板を形成することができない一方で、T細胞やナチュラルキラー細胞など、さまざまな種類の白血球を生ずる能力を有することを明らかにした。
この新たに発見された骨髄細胞が新生児の臍帯血に見られる初期の前駆細胞と異なっていることは重要である。臍帯血細胞は比較的入手が容易で増殖能が高いが、発生的潜在能力が限定されていることから、今回発見された骨髄細胞と比較して臍帯血細胞は分化が進行したものであることが示唆される。
doi:10.1038/ni.2405
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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