Research Press Release
ナノファイバーアレイを利用したタッチセンサー
Nature Materials
2012年7月30日
圧力、せん断、ねじりに対して協調的に応答するナノファイバーを利用して、フレキシブルタッチセンサーを作製できることが、今週のNature Materials電子版に報告されている。そのようなフレキシブルセンサーは、ヒトの皮膚の特性を模倣した電子皮膚の開発において主要素子として用いることができ、ロボット工学や人工装具への応用が考えられる。
機械的負荷を検出するフレキシブルセンサーは、一般的に、作製過程が複雑である。これに対して、Kahp-Yang Suhらのセンサーは容易に作製できる。ポリマーナノファイバーがブラシの毛のように整列したファイバーアレイを2枚作製し、それぞれに白金をコーティングした後、それらを向い合わせにかみ合わせるのである。ファイバーどうしが接触することによって、センサーデバイスに電流が流れ、接触の程度に依存して電気抵抗が変化する。圧力、せん断、ねじりなどの外部負荷をかけると、ファイバーがねじれたり曲がったりして接触面積が増加するため、抵抗が減少する。このセンサーデバイスは、微小負荷に対して並はずれて敏感であり、心拍モニタリングを含む複数の用途で既に有用性が実証されている。
doi:10.1038/nmat3380
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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