Research Press Release

毛嚢(毛包)の免疫機能

Nature Immunology

2012年6月25日

毛嚢が、皮膚と粘膜に存在する免疫細胞であるランゲルハンス細胞を表皮へと動員するきっかけを作ることが明らかになった。

毛嚢は毛の成長、皮脂の分泌にかかわるとともに、表皮のさまざまな幹細胞の待機所の役割を担う。ランゲルハンス細胞は表皮に高密度に分布し、正常な状態では自己再生するが、ストレスのかかった状況の下では骨髄中の細胞によって補充される。

Nagaoたちは、ストレスや炎症刺激が加わると、毛嚢の異なった領域からケモカインと呼ばれる可溶性メディエーターが分泌され、これがランゲルハンス細胞前駆細胞の表皮への移動を誘導することを明らかにした。この観察結果と関連するが、扁平毛孔性苔癬という毛嚢の破壊を引き起こす自己免疫疾患の患者では、皮膚のランゲルハンス細胞が失われている。

doi:10.1038/ni.2353

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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