Research Press Release
血糖レベルに関する形質と関連する遺伝子多様体
Nature Genetics
2012年5月14日
空腹時インスリン値に関連する遺伝子多様体について報告する論文が、今週、Nature Geneticsに掲載される。この研究で得られた知見は、インスリン抵抗性の遺伝的基盤に関する手がかりといえる。
C Langenbergたちが、90,000人以上の糖尿病患者でない被験者を含む52の研究を対象として、血糖レベルに関する形質についてのゲノムワイド関連解析を行った。今回は、空腹時インスリン値と空腹時血糖値との関連解析に新しい共同メタ解析法を用いて、ボディマス指数(BMI)による補正ができるようにして、BMIとの相互作用を調べた。その結果、空腹時インスリン値と関連する6箇所の座位が新たに同定された。Langenbergたちは、このリスクを高める多様体が、高いトリグリセリド値と低い高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール値と関連している点を指摘し、この多様体がインスリン抵抗性にかかわっているとの見方を示している。
doi:10.1038/ng.2274
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
心理学:画像の特徴は時間の経過の感じ方に影響を及ぼす可能性があるNature Human Behaviour
-
天文学:人工知能が明らかにするブラックホール周辺に生じるフレアの3DモデルNature Astronomy
-
がん:複数のがん種の診断ツールNature Sustainability
-
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature
-
気候変動:気候変動に伴う経済的コストNature