Research Press Release
大腸菌の近隣監視
Nature Biotechnology
2012年3月19日
細菌のシグナル伝達分子「インドール」が、一部の細菌細胞では抗生物質耐性の直接的な原因となっていることが、今週のオンライン版『Nature Chemical Biology』の論文で発表される。今回の知見は、細菌集団に関する理解を深めるものであり、有効性の高い抗菌薬の開発に関する新たな潜在的方向性を示している。 「存続細菌」の細胞は、抗生物質投与で死滅する細胞と遺伝的には同一でありながら、既存の抗生物質で死滅させることができない。インドールは存続細菌にとって重要な細胞過程と結び付けられているが、その役割は明らかにされていなかった。 James Collinsたちは、細菌細胞が保護状態に入るためのシグナルとしてインドールが働くことを明らかにした。特に、インドールは大腸菌に対する複数の抗生物質の影響を減殺し、その分子に最もよく応答する細胞は保護のレベルも最高である。研究チームは、存続細菌の出現に関与する2つの細胞経路 — 酸化ストレス応答およびファージショック応答 — をインドールが活性化することも明らかにした。両経路を引き起こすと考えられる別の分子も同じく保護細胞が出現する要因となることは重要である。
doi:10.1038/nchembio.915
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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