Research Press Release
細胞膜の修復におけるビタミンEの役割
Nature Communications
2011年12月21日
酸化ストレスによって細胞膜が損傷した培養筋細胞をビタミンEで処理すると、細胞膜が修復されることが明らかになった。この新知見は、実験的な細胞膜の修復に重要な意味を持っている。 今回、P McNeilたちは、筋細胞と糖尿病のin vitroモデルで色素摂取量を測定し、一般的なタイプのビタミンEであるαトコフェロールが、色素の細胞への侵入を阻止することを明らかにした。このことは、ビタミンEが細胞膜の修復を調節することを示唆している。また、αトコフェロールには、機械的ストレスや酸化ストレスにさらされた細胞の修復を高める作用も見られた。以上の新知見は、ビタミンEの不足した食事をとっていると細胞膜の損傷を修復できなくなる可能性があることを示唆している。
doi:10.1038/ncomms1594
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
考古学:古代のゲノムからアバール人コミュニティーの社会組織と権力の再編が明らかになったNature
-
天体物理学:マグネターの巨大フレアという珍しい現象が観測されたNature
-
創薬:脳オルガノイドを使って神経発達障害の治療法を検証するNature
-
医学:実験室で培養された「ミニ結腸」をがん研究に用いるNature
-
遺伝学:鳥の歌のリズムを調べるNature Communications
-
心理学:画像の特徴は時間の経過の感じ方に影響を及ぼす可能性があるNature Human Behaviour