Research Press Release
身振りをするカラス
Nature Communications
2011年11月30日
ワタリガラスは、特定の物体を「見せる」、「差し出す」といった身振りを用いて、相手のカラスの注意をその物体に向けさせていることがわかった。こうした指示的身振りは、言語技能の基礎になると考えられており、今回の研究で、非霊長類系統による指示的身振りの事例が加わった。 ヒトの子どもは、ほぼ1歳の頃に「見せる」、「差し出す」、「指さし」といった指示的身振りを用いることが知られている。今回、S Pikaたちは、アルプス山脈北部(オーストリア)に生息するワタリガラス(Corvus corax)のペア間の社会的相互作用を映像にとらえた。ワタリガラスは、相手のカラスにコケや小枝を見せて、その注意や体の向きをこうした物体に向けさせていた。指示的身振りを使うのは霊長類系統だけでないことが示唆されている。
doi:10.1038/ncomms1567
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
遺伝学:鳥の歌のリズムを調べるNature Communications
-
心理学:画像の特徴は時間の経過の感じ方に影響を及ぼす可能性があるNature Human Behaviour
-
天文学:人工知能が明らかにするブラックホール周辺に生じるフレアの3DモデルNature Astronomy
-
がん:複数のがん種の診断ツールNature Sustainability
-
古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だったScientific Reports
-
生体力学:昆虫の翅のヒンジは筋肉によって制御されているNature