Research Press Release
気候変動予測の新しい見せ方
Nature Climate Change
2011年10月24日
政策立案に役立つように気候変動予測を表示するための新方法を示したM JoshiたちのPerspective論文が、Nature Climate Change(電子版)に掲載される。
気候変動予測は、通常、将来の特定の時点における「瞬間写真」として示される。これに対して、Joshiたちは、これまでに発表された数々の予測を再分析して、特定の気温の閾値を超える時期がわかるようにし、予測の重点を「何が起こるのか」から「それがいつ起こるのか」に移した。
Joshiたちの新しい方法では、これまでの気候変動予測地図ではわからなかった変動の時期に関する重要な情報を政策立案に役立つように伝えることができる。この方法は、特に、温室効果ガス排出量を減らすことができれば、気温の閾値を超える時期を遅らせることができ、適応対策を計画するための時間的余裕が得られる点を明白に示している。例えば、高排出量が続く場合には、地球温暖化によって地球の気温が産業革命以前のレベルより摂氏2度以上高くなるのは、おそらく2060年のことと考えられるが、排出量を減少させれば、この閾値を超える時期を最大で数十年遅らせることが可能となる。
doi:10.1038/nclimate1261
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
考古学:古代のゲノムからアバール人コミュニティーの社会組織と権力の再編が明らかになったNature
-
天体物理学:マグネターの巨大フレアという珍しい現象が観測されたNature
-
創薬:脳オルガノイドを使って神経発達障害の治療法を検証するNature
-
医学:実験室で培養された「ミニ結腸」をがん研究に用いるNature
-
遺伝学:鳥の歌のリズムを調べるNature Communications
-
心理学:画像の特徴は時間の経過の感じ方に影響を及ぼす可能性があるNature Human Behaviour