Research Press Release

炎症をノックアウトして腫瘍を抑制

Nature Immunology

2011年11月7日

炎症誘発性サイトカインの過剰な生産を、分子レベルの「ワンツーKOパンチ」を繰り出して防ぐとの報告が寄せられている。この発見は、腫瘍の進行を抑える治療標的に結びつくかもしれない。 多くの転移がんには、慢性の炎症が伴っている。炎症誘発性サイトカインの引き金となるのは複数の情報伝達経路だが、どれもキナーゼTak1を介して転写因子NF-κBの活性化を引き起こす。 K Venuprasadたちは、2種類の酵素CyldとItchを同定した。これらは一緒に作用してTak1を修飾し、これが破壊されるように仕向けることによって、NF-κB活性化過程を終了させる。CyldとItchのどちらか一方を欠失したマウスは腫瘍促進性サイトカインを過剰に発現し、がんの実験モデルの場合、生じる腫瘍は大きく転移しやすくなる。

doi:10.1038/ni.2157

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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