Research Press Release
結腸直腸がんゲノムの塩基配列解読
Nature Genetics
2011年9月5日
がんによる死亡原因の上位を占める結腸直腸がんのゲノム塩基配列解読が行われた。その結果を報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。 今回、M Meyersonたちは、9人の患者から原発性結腸直腸がんとそれとマッチした非がん性組織(対照)を採取して、全ゲノム塩基配列解読を行った。その結果、さまざまなゲノム再編成が同定された。1つのがん当たり平均75の体細胞ゲノム再編成が見つかっており、その中には、相互に転座した染色体の対のネットワークも含まれていた。次にMeyersonたちは、別の97例についてスクリーニングを行い、そのうちの3例で頻発性のVTI1A-TCF7L2遺伝子融合を同定した。今回、この融合遺伝子を含む細胞株において得られた知見は、この遺伝子融合が、細胞増殖と腫瘍形成の進行において機能的役割を果たすことを示唆している。
doi:10.1038/ng.936
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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