翼竜類の歯から分かった食物の好み
Nature Communications
2020年10月29日
翼竜類の歯に残された跡の研究から、翼竜類が進化の過程で、多種多様な食物を摂取するようになったことを明らかにした論文が、今週、Nature Communications に掲載される。今回の研究は、翼を持つ爬虫類である翼竜類の進化と、翼竜類がさまざまな生態系で果たした役割について解明を進める上で役立つ。
食物を噛んだ時、食物に歯型が残るのと同様に歯にも跡が残る。歯に残る跡は、食物によって異なるため、こうした跡を用いて、さまざまな動物の食生活を推測できる。今回、Jordan Bestwickたちの研究チームは、17属のさまざまな翼竜の歯の化石に残されたマイクロメートル以下の跡のパターンを分析した。飛行捕食者だったこれらの翼竜は、2億1000万年~6600万年前の中生代に生息していたが、その食餌について知られていることは比較的少ない。
今回の研究では、多彩な情報が得られた。例えば、ディモルフォドンはさまざまな脊椎動物を餌とし、ランフォリンクスは魚類を食べ、アウストリアダクティルスは甲虫や甲殻類などの「硬い」無脊椎動物を食べていた。獲物の範囲が非常に限定された翼竜がいた一方、広食性捕食者の翼竜もいた。翼竜類の祖先種は、無脊椎動物を食べていたが、その後、魚や肉を食べるように進化したとされた。Bestwickたちは、こうした変遷が、中生代末期にかけて多様化した鳥類との競争によって引き起こされた可能性があると考えている。
doi:10.1038/s41467-020-19022-2
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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