【細胞生物学】内因性カンナビノイド系がヒトの精巣の生理機能に関与している可能性
Scientific Reports
2019年9月20日
15人の患者の組織試料を用いた研究が行われ、内因性カンナビノイド系(ECS)が、ヒトの精巣の生理機能(例えば、精子細胞の発生)の調節に直接関与している可能性のあることが明らかになった。この研究結果を報告する論文が、今週掲載される。
ECSは、神経伝達物質の一種である内因性カンナビノイド、それに関連する受容体、酵素、タンパク質からなるシグナル伝達系である。ヒトのECSは、精子の質と機能に関連していると考えられてきた。しかし、ヒト精巣組織におけるECS成分の存在やそれが精子細胞の発生に関与している可能性に関する情報はほとんどない。
今回、Niels Skakkebaekたちの研究グループは、精巣胚細胞がん患者(15人)の精巣組織試料中にECSの個別成分が存在しているかどうかを調べた。その結果、ヒトの精巣に数々のECSの成分[例えば、主要な内因性カンナビノイドの1つである2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)]が存在することが明らかになった。また、2-AGを分解するFAAHとABHD2などの酵素と内因性カンナビノイド受容体が、生殖細胞の発生のさまざまな段階に存在しており、Skakkebaekたちは、生殖細胞の成熟過程の各段階で異なったECS成分の発現パターンを検出した。
今回、Niels Skakkebaekたちの研究グループは、精巣胚細胞がん患者(15人)の精巣組織試料中にECSの個別成分が存在しているかどうかを調べた。その結果、ヒトの精巣に数々のECSの成分[例えば、主要な内因性カンナビノイドの1つである2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)]が存在することが明らかになった。また、2-AGを分解するFAAHとABHD2などの酵素と内因性カンナビノイド受容体が、生殖細胞の発生のさまざまな段階に存在しており、Skakkebaekたちは、生殖細胞の成熟過程の各段階で異なったECS成分の発現パターンを検出した。
doi:10.1038/s41598-019-49177-y
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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