Research Press Release

【環境】肉食と栄養的に健全な菜食の環境影響分析

Scientific Reports

2019年8月9日

Environment: Impacts of nutritionally sound plant-based and meat diets analysed

このほど実施されたモデル化研究で、米国人が肉の代わりにタンパク質含有量の変わらない野菜を使った食事をとれば、基本的な栄養所要量を満たしつつ、牧草地を全く使用せずにすませることができ、食料生産に現在必要な耕作地を35~50%削減できることが明らかになった。これにより窒素肥料の使用量と温室効果ガスの排出量を削減できる反面、食料関連の水使用量だけが増加することが示唆されている。この研究知見を報告する論文が、今週掲載される。

今回、Gidon Eshelたちの研究グループは、コンピューターモデルを用いて、牛肉のみ、または米国の主要な3種類の肉(牛肉、鶏肉、豚肉)の代わりになる野菜を使った食事(数百種類)を考案した。野菜を使った食事は、主にダイズ、ピーマン、カボチャ、ソバ、アスパラガスによって構成されている。今回の研究におけるEshelたちの目標は、代替対象の肉を使った食事よりも有益である必要はないが、少なくとも同程度の栄養価のある野菜を使った代替食をモデル化し、環境への影響も評価することだった。それぞれの食事は、代替対象の肉のタンパク質含有量(牛肉由来のタンパク質が1日当たり13グラム、3種類の肉由来のタンパク質の合計が1日当たり30グラム)と正確に一致し、その他の43種類の栄養素(ビタミン、脂肪酸など)の必要量も満たすようにモデル化された。

肉を全量代替する食事の総タンパク質含有量の3分の1は、ソバと豆腐によって賄われたが、そのための窒素肥料と水の使用量は、代替対象の肉を生産するために必要な量の12%にとどまり、その栽培に必要な耕作地の規模は、肉を生産するために必要な牧草地の22%弱だった。牛肉の代替食の総タンパク質含有量において最も大きな割合を占めたのがダイズで、ダイズ栽培に要する窒素肥料の使用量は、牛肉生産に必要な全窒素肥料のわずか6%であった。米国では、野菜を使った肉の代替食により、1年間に約2900万ヘクタールの耕作地、30億キログラムの窒素肥料の使用量、2800億キログラムの二酸化炭素排出量が削減されると推定され、食品関連の水使用量は15%増加すると予測された。

doi:10.1038/s41598-019-46590-1

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度