Research Press Release
【社会科学】少人数の研究チームの方が新しいアイデアが生まれやすい
Nature
2019年2月14日
少人数の研究チームの方が、新しいアイデアやコンセプトが生まれやすく、大人数のチームは、既存のアイデアやコンセプトを発展させる傾向のあることを明らかにした論文が、今週掲載される。これは、6500万件以上の論文、特許、ソフトウエア製品の分析によって明らかになった。
科学と技術の多くの分野で、大人数のチームによる研究が増えている。こうした力の結集は、資源と専門知識の集積がなければ達成が難しい研究や技術の大きな進歩を促進してきた。ただし、少人数チームの科学的成果と大人数チームの科学的成果に系統的な違いがあるかはよく分かっていない。
今回、James Evansたちの研究グループは、数百万件の論文、特許、ソフトウエア製品の分析によって1954~2014年の共同作業を調べた。Evansたちは、論文や製品が先行研究や先行品にどの程度立脚しているかを判断するための測定基準を用いて、この期間にわたって、1~10人の少人数チームが、新しいアイデアやコンセプトによって既存の科学と技術を撹乱する傾向にあったことを明らかにした。一方、大人数チームは既存のアイデアを発展させる傾向にあった。
Evansたちは、科学技術の生態系の繁栄には、少人数チームと大人数チームの両方が必須だと結論付けている。
doi:10.1038/s41586-019-0941-9
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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