気候変動の転換点を検出するための努力
Nature Climate Change
2011年6月20日
気候変動の転換点が近づいていることを示す早期警報システムは、原理的に可能であり、これによって社会に対するリスクを大きく減らせる可能性があることが明らかになった。この見解を示したT Lentonの総説論文が、Nature Climate Change(電子版)に掲載される。
転換点は、1つのシステムの外部で生じた比較的小さな変化が、そのシステムの中に過度とも思われる応答を強制し、その結果、そのシステムが1つの安定状態からもう1つの安定状態に移行する時に起こる。人間社会では、内乱が、そうした変化となることがあるが、気候システムでは、アマゾン熱帯雨林の立ち枯れやグリーンランド氷床の融解といった物理的なインパクトが、それにあたる。転換点を予測し、早期警報を実現可能なものとすることは、非常に難しい課題となっている。
T Lentonは、気候変動の転換点の早期警報に関する最近の科学的進歩を考察し、擾乱や変動幅の増加に対する応答の遅さのようなシステム内の変化を検出するための統計的手法と早期警報システムの開発に必要な研究を中心に論じている。
これと関連して、M InmanのFeature記事では、生態系における突然の急激な変化の検知をめざした研究の進展を考察している。湖の生産力低下のような小規模な変化のほうが防止しやすいと考えられ、コンピューターモデルや野外調査データを利用した最近の研究には、小規模な変化を検出し、それを他の生態系にスケールアップできる可能性を示す有望な徴候が見られる。もし、そうであれば、科学者は、脆弱な生態系を特定し、レジームシフトを未然に防止するという目標に近づけるかもしれない。
doi:10.1038/nclimate1143
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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