Research Press Release
新しい赤外線撮像法の開発
Nature Communications
2011年4月20日
量子ドットカメラを用いた赤外線撮像法が実証され、これにより、将来的にはカラーの赤外画像を実現しうることを報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。今回の研究は、生体の機能や構造に啓発(バイオインスパイアード)された画像センサーの将来的な開発にとっての基礎になると考えられる。
赤外線カメラは、暗視装置や医療診断に用いられているが、今のところは、白黒の画像しか得られない。量子ドットカメラを用いると、赤外線撮像技術を向上させて、特定の光周波数を高い精度で検出することが可能になる。このほど、S Krishnaらは、カラーの赤外線撮像に向けた一歩となる、モノリシックに集積されたプラズモン赤外線量子ドットカメラを実証した。
この新知見は、人間の眼のように自然界に見られる機能を模倣する撮像装置の開発に道を開くものといえる。こうした撮像装置は、強力なセンサーと超高効率のデータ圧縮を併用して、カラー、ダイナミックレンジと偏光を画素レベルで検出できるようになると考えられている。
doi:10.1038/ncomms1283
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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