Research Press Release
選挙前の世論調査は当てにならないか?
Nature Human Behaviour
2018年3月13日
一般通念に反し、昨今の選挙前の世論調査の精度は特別悪いということはなく、むしろ、調査の誤りの平均値は小さくなりつつあることを報告する論文が、今週掲載される。
世論調査機関は、2015年の英国総選挙でも2016年の米国大統領選挙でも、厳しい批判にさらされ、世論調査が事業として危機的状況にあるのではないか、また世論調査がますます信頼できないものとなっているのではないかと広く懸念された。
しかし、Will JenningsとChristopher Wlezienは、こうした懸念は正しくないと指摘している。彼らは、1942~2017年における45か国351回に及ぶ総選挙に関連する3万件の全国世論調査を分析した。その結果、調査の誤りは、過去数十年間でほぼ同程度であり、予測が外れた割合はは平均して約2%であった。さらに、世論調査の精度には、長い目で見ればわずかだが徐々に(統計的有意に)上昇していることが見いだされた。
研究チームは世論調査に誤りがないと主張しているわけではなく、予想を大きく外す調査があることは認めている。それでも、今回の結果は、投票予測の精度が危機的状況に瀕しているという主張を裏付ける証拠はないことを示している。世論調査機関は、現在直面している問題(例えば、過去20年間で調査回答率が劇的に減少していることなど)に対してうまく適応しつつあると、研究チームは示唆している。
doi:10.1038/s41562-018-0315-6
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
生物多様性:サンゴ礁の食物連鎖が短縮されているNature
-
ロボティクス:新しいビジョンシステムは人間より速く動きを認識できるNature Communications
-
地球科学:地球の核には水素の海が存在する可能性Nature Communications
-
医学:大規模言語モデルが一般市民の医療に関する意思決定を改善しないかもしれないNature Medicine
-
スポーツ:試合日には「サッカー熱」が最高潮に達するScientific Reports
-
コンピューターサイエンス:人工知能を活用した科学文献のレビューの改善Nature
