【気候科学】特定物質の排出量はガソリン自動車が一部のディーゼル自動車を上回っている
Scientific Reports
2017年7月14日
炭素質の粒子状物質(PM)の排出量は、ディーゼル微粒子除去フィルター(DPF)と触媒を装着したディーゼル自動車よりもガソリン自動車の方が多いことが初めての実験室実験で明らかになったことを報告する論文が掲載される。この論文の著者は、自動車の排出物質の量がサンプリング場所、車齢と周囲温度の影響を受けやすい点を指摘し、今後の研究では自動車の排出物質の総量を計算する必要があるという考えを示している。
炭素質PMは、黒色炭素、(燃焼によって発生する固体粒子を含む)一次有機エアロゾルと(燃焼時に排出される有機化合物の大気中での劣化によって生成される)二次有機エアロゾルからなり、自動車の排出物質の有毒成分の1つとなっている。しかし、こうした物質の排出に対するDPFを装着したディーゼル自動車とガソリン自動車の相対的寄与は定量化されていない。
今回、Andre Prevotたちの研究グループは、室内研究においてガソリン自動車11台とDPFを装着したディーゼル自動車6台から排出された炭素質PMを22°C と-7°Cにおいて定量化した。その結果、ガソリン自動車から排出される炭素質エーロゾルの量が22°Cではディーゼル自動車の平均10倍で、-7°Cでは約62倍であることが明らかになった。また、試験対象となったディーゼル車の排出物質から二次有機エアロゾルは検出されなかった。
また、試験対象となった自動車と比較すると、DPFを装着していないディーゼル自動車のPM排出量は非常に高く、当分の間、PM排出量の大きな割合を占めることになるとPrevotたちは指摘している。
doi:10.1038/s41598-017-03714-9
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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